カルティエの腕時計・歴代サントスガルべ『自動巻』『クオーツ』進化論

 動画で『おしゃれな人ほど着けて欲しい!小型のサントスガルべ』をご覧になる方はこちらから↓

 本日の動画では、『おしゃれな人ほど着けて欲しい!小型のサントスガルべ』という内容でお話しして参ります。

サントスガルべはロングセラーモデルで、生産された期間は約30年間でありその中で、ちょっとずつスタイルが変わってきました。

他の人とは違ったおしゃれな時計を探してて、サントスガルべ候補に入ってるんだよな。買いたいと思ってるんだよな。

と考えてる方こそ、記事を見終わった頃には、自分はどんなサントスガルべを選んだら素晴らしい相棒になってくれるかが分かると思いますので、是非とも最後までお付き合いくださいませ。

 

歴代サントスガルべ『自動巻』『クオーツ』進化論

サントスガルべとは、1987年に誕生したモデルであり元々は1978年に原型のサントスが誕生してたのですが、もっと手首に馴染むようにと湾曲してリニューアルされたのがサントスガルべなんですね。

よって、サントスガルべのガルべってのはフランス語で『湾曲』という意味を表しています。

そんなサントスガルべなのですが、2002年にサントス100が誕生することで並行販売が少しの間続きましたが、実質ここら辺で生産終了となります。

サントスの歴史については、こちらにまとめておりますので興味のある方はご覧ください↓

ではここからですね、簡単にサントスガルべとサントス100と現行のサントス ドゥ カルティエの違いについて解説しますね。

 

サントスガルべ&サントス100&現行サントス何が違う?

原型のデザインは基本的には、全部同じで違うところはサイズです。

サントスガルべが1番小さくて、次にサントス100が小さくて1番大きいのが現行のサントスです。

ということは、古いモデルほど小さくて新しいモデルになる程大きくなるというわけなんですね。

ここは細かな違いなのですが、ベゼルの形状も最新型は変わっています。

サントスガルべと現行のサントスのベゼルの違い

それまでは正方形のベゼルでしたが、現行モデルからは12時位置と6時位置のベゼルが、ベルト方向に伸びたデザインに変更されています。

ベゼルのデザインの変更はそこまで大きな影響はないのですが、影響してくるのがサイズです。

現行モデルはMMサイズの小さい方でも、35mmあるのですがこれは現代的なサイズからすれば、メンズの中でも小さいサイズに分類されます。

ちなみにサントス100のLMサイズは38mmで、現行のサントスドゥカルティエのLMサイズは39.8mmなので、現代のスタンダードなサイズ感ですね。

ではサントスガルベはと言いますと29mmです。

これまでの話を聞いてると、めっちゃ小さく感じますよね💦

ですが細腕の方や、小ぶりな時計が好きな方こそこちらのモデルを選ばれることをお勧めします。

ではここからは、そんな小さなサントスガルべの魅力を解説して参ります。

 

サントスガルべの魅力

カルティエの腕時計サントスガルべ着用シーン

まず腕時計というのは、日中は常に着用しているアイテムなので手首にあった時計を着用していないと、着用している間にストレスが溜まってしまいます。

どういうことかと言いますと、細腕の方が巨大な腕時計を選んだら基本的には、ブレが大きくなり安定感がなく、そのブレが気になってしまいます。

あと、私はまだそういった経験をしていないのですが、50代以降になってくると巨大な時計は日常的に使っていると重さを感じてくる。

とよくお客様から伺います。

また、腕時計の厚さが与える影響も見逃せません。

時計の厚さも結構大きいと考えておりまして厚さがあればあるほど、腕に乗せた時に同様にブレや安定感は低下していきます。

カルティエの腕時計サントスガルべ着用シーン

そのため、細腕の方はでかい時計よりも小型の時計の方が馴染みがいいのですが、そこからさらに追加して薄型モデルを選ぶとより手首にフィットしてくれます。

ですがそれが分かっていたとしても、現行のサントスがその条件に合ってないので、そもそも選ぶという選択ができません。

そんな中、その条件を満たそうとした時に候補に上がってくるのが、サントスガルべなんですね。

時計のケースは先ほどお話しした通り、29mmで小型ですしそもそもサントスというのは、ブレスまで一体型のモデルなのですが、ブレスを含めた重さも時計が小さい分、大きな負担には感じられません。

今はカルティエをメインに扱ってますので、女性だけでお越しになるお客様はいないんですが、奥様と一緒にお越しになってタンクも含めて、兼用でも使えるよね、という話が出てくるのですが実際このサイズであれば、女性の方でも着用出来るのも魅力ですよね。 

きっかけというのは、やはり男性のお客様ですので自分が欲しいけど奥さんの了承を得られない時などに、これだったら兼用で使えるからカルティエだし良くない?

的なニュアンスで話して頂ければ、ちょっとだけ許しのハードルが下がるかもしれませんね。

カルティエの腕時計 サントスガルべLMサイズ ギョーシェダイヤル

また、そもそもの時計のイメージとして大きい時計=スポーツウォッチ。小さい時計=ドレスウォッチのような時計が本来持ってるイメージがあるので、小さい時計というのは、『品がある』とか『洗練された』のようなワードと相性がいいと考えております。

では、ここからは30年間生産された中で、ちょっとずつデザインを変えていったスタイルの変化と、自動巻とクオーツモデルのメリットデメリットを見ていきましょう。

 

サントスガルべのデザインの違いを見てみよう

まずサントスガルべには、自動巻とクオーツモデルしか存在しません。

ちなみに、サントスという名前がつくモデルに『サントス・デュモン』というモデルがありますが、これが手巻きモデルになります。

これは現行で販売されている新品のモデルにもあるので、一度ご覧になられてください。

話を戻しまして、サントスガルべの自動巻とクオーツの違いはデイト表記の場所です。

カルティエ腕時計 サントスガルべ 自動巻とクオーツのデイト表記の位置の違い

自動巻モデルは、3時位置に配置されクオーツモデルは6時位置に配置されています。

あとはベルトも前期型と後期型でスタイルが変わります。

前期型のベルトは、このようにバックルに向かって細くなっていくのに対して、後期型はラグから同じ幅のままバックルに繋がっています。

バックルの閉じ方も前期型は、片方向開きのバックルであり、後期型は観音開きタイプのバックルとなります。

サントスガルべ 前期型と後期型の違い
サントスガルべ前期型と後期型のバックルの開き方の違い

なんでこのような変更があったかと言いますと、前期型は1970年代の終わりくらいから始まったラグスポのブームの時代にデザインされたので、その時のデザインは革ベルトも含めてバックル部分に向かって細くなるのが一般的でした。

そこから段々と、腕時計の巨大化のブームが来たのでその時計に合うようにベルトもデザインが変更され、後期型はラグから同じ太さのまま延長するスタイルになったのです。

 

ぱっと見で分かる違いは、その部分だけになりますね。

あとはデザインによって、自動巻モデルしかないもの、クオーツモデルだけにしかないものが存在するのですが、そのデイト表記の位置が分かっていれば問題はないでしょう。

表面からの違いはそこだけで、ここからは細々とした違いを解説してまいります。

まず根本的にクオーツも、自動巻も薄型に作ってあることに変わりはないのですが、ムーブメントの性質上やはりクオーツの方が薄くなりますのでその違いについて解説します。

サントスガルべ クオーツモデルの着用感

こちらはクオーツモデルです。

1番薄型なので、腕に乗せた時のフィット感というか、一体感は素晴らしいです。

自動巻きと比べても軽いのが特徴で、デザインが良く機能的です。

 

 

サントスガルべ 自動巻前期モデルの着用感

こちらは自動巻きの前期型です。

サントスガルベが誕生した時の最初のモデルであり、自動巻きが搭載されていますが、クォーツと比べて見てもらえれば分かるようムーブメントの分だけ厚さがあります。

目や実測の厚さは確実にこちらの方が厚いのですが、これが実際に腕に乗せて見ると、ほとんど厚さを感じさせません。

 

 

 

サントスガルべ 自動巻後期モデルの着用感

こちらが自動巻きの後期型です。

2000年ちょうどくらいに誕生したモデルで、前期型比べてボコっと出ていた裏蓋がかなり抑えられています。

時代の流れによって、ムーブメントも薄型に成功し、手首へのフィット感も良くなっています。

 

と言った感じで3つのスタイルの違いを解説しましたが、元々が薄型なのでこの薄さの部分はほとんど誤差の範囲程度の認識で良いと思いますね。

 

 

 自動巻とクオーツどっちが良い?

 ここで問題になってくるのが、自動巻きかクォーツどっちが良いのか?

という問題です。

 自動巻もクォーツも、素晴らしい動作方法である事に変わりはないのですが、自分がどういったライフスタイルを送るかによって選ぶのが一番良いかなぁと考えています。

普段私はこの様に、パソコンの前に座って原稿を書いたり、動画を作ったりしてるのですが、その時に自動巻を着用してると少しだけ磁気帯が気になるので、デスクワークの時はクォーツにします。

その反面、今日は休み。

と決めて、そう言ったのを何も触らない、と決めてる日は自動巻や手巻きを選びます。

複数本所有していれば、このような使い分けが出来ますが、まずは1本目って方もいらっしゃると思いますので、その時には自分はいつつける予定なのか?

と言うのを考えて購入するのが望ましいですね。

 ヴィンテージのクォーツは実際の所どうなのか?

という懸念がある方も多いと思います。

クォーツは実際の所、時計の中に家電が入ってる様な物なので、手巻きや自動巻きの様にオーバーホールしてれば安心して100年使えますよ。

なんて事はありません。

弊社でも必要であれば、基盤の中にある部品のクオーツIC、水晶管、コイルなどを交換します。

そう言った修理を施して、正常に動作させて行くのですが、実は更に上の必殺技的なのが存在します。

あんまり知られてないみたいなのですが、カルティエの時計であればカルティエのブティックに時計を出せば、ムーブメントをマルっと交換してくれます。

ですので、クオーツムーブメントであれば最新型のムーブメントに乗せ替えてくれるのです。

もちろんそこにお金はかかりますが、今は確か45000円位で載せ替えてくれますし、それでまた長年使えるようになるのであれば、安いもんでしょう。

クオーツにおいては、そう言ったのを知ってるか知らないかだけでも、クオーツを持っている安心感はだいぶ違いますよね。

 

機械式かクオーツどちらが良いのか?という私の考えについては、こちらで詳しく話してますのでこちらの動画もご覧ください↓

 

と言った感じでサントスガルベの進化の歴史と現行との違い、などを解説して来ましたが新品の時計まで含めて別のブランドも見ると、ほんとたくさんのモデルから時計を選ぶことができます。

じゃあなんでそんな大量にあるモデルの中から、サントスガルべを選ぶのか?

ということを考えた時に、これはやはりおしゃれさを優先した結果、ガルベに行き着いたという理由が1番大きいのではないかと思います。

 やはりカルティエの時計は、他のブランドと比較してデザイン性は美しいですし、『おしゃれ』という言葉と相性の良いブランドだと思います。

そんなおしゃれな方にこそ、是非ともサントスガルべを手にして頂きたいですね。