弊社で扱ってる腕時計について『仕入れ』『修理』『販売』までの流れ

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この記事では『弊社で扱ってる腕時計について』解説して参ります。

 

お陰様でたくさんの方々に弊社を認知して頂いたので、お問い合わせが増えているのですが、よく頂く内容は修理ってどうなっておりますでしょうか?

ということです。

これは時計を長く愛用したいから、そのようになるのであってとても時計を大切にしたいという気持ちが伝わってきますので、私も丁寧にお答えするようにしています。

 

では早速その詳細について解説して参ります。

 

 

弊社で扱ってる腕時計について

腕時計の種類というのは、大きなカテゴリーに分けると3つあると考えています。

 

・1つ目はヤフオクやメルカリなどのフリマ

・2つ目は質屋

・3つ目は時計屋さん

 

ですね。

そして、これらの時計価格は同じ時計であっても1から3にむけて、高くなっていきます。

 

そして、これらの時計の品質(修理されてるかどうか)というのも1から3にむけて、高くなっていきます。

要するに、安さを得るためには品質を捨て(品質というのは修理されているか分からないものとか、修理したら高額になってしまうもの)を選ぶか、高額だけれどもしっかりとした品質のものを選ぶのか?

という選択になってきます。

 

私の場合は、この中で言うと3に当てはまります。

やっぱりフリマや質屋と比較すれば、弊社で販売している時計は高いです。

グルメの番組とか見てても、タレントさんが100%の確率で『えっそんなに安いの?』『これでこの価格はあり得ないよ』と言うのを毎日聞いてるのですが、私は安いのもあっていいし、ホテルで2万円のディナーをしてもいいという考えです。

 

グルメと腕時計を一緒に扱うことは出来ませんが、同じように考える人(ここでは安さだけを追求しない人)が腕時計を買う人には多いのかなぁ。

と言った実感ですね。

 

では、弊社ではどのように時計が販売されているのかを解説します。

 

弊社で時計が販売されるまで

まず最初に時計を仕入れるところから始まるのですが、仕入れるところは国内、海外問わず良い物を仕入れるようにしています。

手にとってその商品の品質を見極めますが、実はこの時には50%程度しかチェックはできません。

それはなぜかと言いますと、基本的には中のムーブメントをチェックできないからです。

まぁこれは仕方のないことというか、実際にこれを誰もがやっていたら、そのムーブメントが正常だったとしても、100人いれば100回開けられると言うことなので、チェックされるだけで不具合に繋がりますよね。

よって、仕入れる時には外装の状況だけをチェックするのが限界になります。

このようにして、仕入れた商品が手元に届きます。

そしてここから、実際に裏蓋を開けれるのですが私の肌感覚なのですが、6/10くらいの確率で不具合があります。

私も裏蓋を開けてチェックするのですが、実際に修理(オーバーホール)するのは提携している職人さんで、その職人さんに確認して頂いて修理を進めていきます。

では実際に、どのように進んでいくかをチェックしていきましょう。

 

職人さんとはメールでやり取りをしており、分解して頂いた後にその状況の連絡がきます。

ベル・モントル 修理業社(時計修理専門店)とのメールのやり取り

 

 全てを載せることが出来ないので、伏せる部分は消しておりますがこのようにタンクを6本出した時に1本の手巻きタンクのゼンマイが切れているため、交換します。

と連絡を受けます。

今回は分かりやすいように、ゼンマイが切れてる例をあげましたが他にも色々あります。

ベルモントル マストタンク見積書

こちらも伏せないといけない部分は伏せておりますが、それと一緒にこのように見積もりが届くのですが、それに同意をして修理がスタートします。

 

 

他のパターンだと現在販売しているジャガールクルトは、自分では気がつくことが出来なかったパーツの修理を行っております。

現在販売しているジャガールクルトの腕時計
職人さんから来たメールの内容がこちらです。
ベル・モントルと時計修理専門店の交換パーツのやり取り
リューズを回す時に、ツヅミ車と言うパーツがあるのですがそこの歯先が摩耗していると、リューズを回す際にガリガリと言う音が出てしまいます。
歯先が磨耗しているツヅミ車

このパーツがリューズのチューブと噛み合うことで、リューズを回した時に時計の内部のゼンマイを回せるのですが、ここが磨耗していると滑りと噛み合いが悪いことで、ガリガリと言う音が出ます。

そして、実際に修理から帰ってきた時に一緒に入っていたツヅミ車はこちらですね。
交換したツヅミ車

物凄く小さいパーツなのですが、このパーツだけで結構な値段になります。

時計の値段自体も、物凄く上がっていますが実はそれぞれのパーツも、物凄く値上がりしています。

基本的にパーツを取り寄せるのは、海外からなのでインフレと円安の影響をダイレクトに受けていますね。

ちなみに、こちらがツヅミ車の交換とオーバーホールが完了した時の納品書になります。

ジャガールクルトオーバーホール完了書

ただしこれは交換推奨であり、別に交換しなくても動くのは動くんですよね。

もちろん、弊社ではこういった部分は交換するようにします。

私はここが『フリマ』や『質屋』との大きな違いだと考えております。

動くのは動くであれば、別に交換しなくてもそのまま販売まで持っていくことが出来ますし、その分大幅に価格を落とすことが出来るので、価格の面でもかなり優位に立てます。

でもその先のことを考えているのが、時計屋さんなんだと思います。

ちょっとマニアックな話になってしまうのですが、この歯車が磨耗していて滑って噛み合いが悪い状態というのは、歯先がこれからも磨耗しやすい状態にあると言えます。

となると、その金属辺が機械内部に侵入し、それが噛み込みすぐに時計をダメにしてしまいます。

そこまで分かっているから、防げるところは先にお金をかけてでも防いで、購入して頂いた方に長く愛用してもらう。

これが時計屋さんの役割であり、1番大切にしないといけない部分なんだと思いますね。

このようにしっかり修理をしていたとしても、やはりヴィンテージウォッチですので万が一の不具合も発生することがあります。

もちろん弊社では、そのような場合であったとしてもしっかりとアフターサービスまで含めておりますので、その後の不具合についてもご対応させて頂いております。

ここまでは、主に機械の内部のパーツについて解説しましたが、次は外装についてのお話です。

 

その反面、オリジナルを残すところにも拘っています。

腕時計の中でも、最も重要なのは文字盤です。

その次にケースです。

その次に風防なのですが、こんな感じで外装部分がオリジナルを残す重要なポイントになります。

文字盤はもちろん綺麗な方が理想的ですが、多少のシミがあったりクラックや割れがあったとしても、それは時計の熟成として残すようにします。

 

 

ケースに傷があったとしても、それはそのまま残すようにしています。

ケースの方は文字盤と比べると、簡単に研磨が出来るので削りたくなってしまいがちなのですが、これも文字盤同様に製造されてきてから現代までに歩んできた『味』として奥深さを生み出してくれていると思うのです。

あと、ケースを研磨して行ったらその時の見栄えは良くなるのですが、どんどん痩せていってしまうので、50年後はその時計が激痩せしてる可能性があるんですよね。

そういったことも考えて、弊社ではケースの研磨は基本的にはしません。

風防はオリジナルであれば、理想的ですが実際に製造から20年以上経過してれば、割れが発生しているかヒビが入ってることがほとんどなので、磨くことで綺麗になるのであればそのままそれを使い、割れや深い傷が入ってる場合は交換するようにしています。

これは人によって判断が分かれるところでしょうが、私は時計としての本来の役割を発揮させることが大切だと思っていますので、そのようにしています。 

 

 

腕時計を楽しんで貰えるためのベルト

腕時計はもはや時計としての役割ではなく、ファッションのアイテムとしての要素やステータスとしての要素の方が強いと思います。

そんな時に、個性を出せるのがベルトです。

ベルトの質感やカラーを変えるだけで、その時計の印象も大きく変わってきます。

色も大事なのですが、そのベルトの素材や質感も大きく影響を与えます。

やはり良い素材で作られたベルトは質感が良く、夏場に使っていたとしても不快感はほとんどありません。

あまり知られていないようなので、ここで簡単に解説しますと実はベルトは裏面防水のベルトがあります。

弊社では基本的には、モレラートとカシス社のベルトを取り扱っているのですが、これらのブランドには腕に触れる部分が防水加工してあるものがあります。

一般的には、夏場は金属ベルトが望ましいと言われていますが、それももう昔の話であって、今では通常のベルトであっても夏場に着用できるものが増えてきています。

実際のところ、ベルトの質感というのは画像からではほとんど分からず、現物を触ってみないと分かりません。

例えば、ベルトの素材によって硬さや厚さが変わってきますし、画像でその色味を見るか、実際に腕に乗せてその色味を見るかで、自分の肌色に馴染むかどうか?

というのも、のせてみないことには分かりません。

これはお店にお越し頂ける方限定になってしまうのですが、それらのベルトをアルバムにして準備しておりますので、ベルトの質感を見て選ばれる方もたくさんいらっしゃいます。

時計本体はもちろん、1番重要な要素なのですが腕時計をファッションとして捉えた時に、やはりベルトも含めて一体として見ていくことが大切だと考えております。

 

このようにして、弊社では時計はしっかりと修理(オーバーホール)を行い、付属品と考えられがちなベルトの部分も、質感に拘って積極的に扱うようにしております。

 

といった感じで、弊社の扱う腕時計についての詳細を解説しましたが、やはり難しさを感じことがほとんどです。

 

仕入れの時に、こことここを直せばどうにかなると思ってても、予想外の部分が壊れてることがよくよくあります。

でもやっぱり、自分が綺麗だなぁと思って仕入れた時計はキャビネットに並べて眺めていても、全く飽きは来ませんし自分はこの仕事が合ってるんだと思います。

 

まだまだ小さな会社ですが、今年中に登録者数2000人まで増やして、今年中に代官山らへんにお店を出そうと思っておりますので、今後ともどうぞ応援をよろしくお願い致します。