オーデマ ピゲ ロイヤル オーク ウォッチの簡単な歴史
ロイヤルオークには、さまざまなモデルがありすぎて全てをここで解説すると、長くなりすぎてしまうので、まずは3針モデルを中心に一通り網羅出来るよう解説して参ります。
この動画をご覧頂くことで、大量にあるリファレンスが分かると共に製造されていた時期や、進化の過程を理解できるようになると思います。
今後気になったリファレンスが出て来た時の参考として、活用して頂けたら嬉しく思います。
時計の紹介の前に、簡単な前知識がないと時計の理解が進まないので、少しだけ型番について解説させて頂きます。
ロイヤルオークのリファレンス『型番』について
ロイヤルオークの型番を見た時に最初に4桁か5桁の数字が来ます。
これがリファレンスになります。
そして、その後に2文字の英語が来るのですが、これが素材を表しています。
ここでは、この素材の部分だけ解説します。
ST=ステンレス
BA=18Kイエローゴールド
SA=ステンレスとイエローゴールド
ロイヤルオークの歴代コレクションを見てみよう
1972年 Ref.5402 39mm(ジャンボ)
ジェラルド・ジェンタがデザインしたロイヤル・オークのファーストモデルは、2年の開発期間を経て、1972年のバーゼルフェアで発表された。
ロイヤル オークの特徴としては、六角形のベゼルと露出したネジが挙げられ、全体のデザインはダイビング ヘルメットからインスピレーションを得ています。
最初に発表されたモデルは、ロイヤル オーク Ref.5402STでした。
5402STは、厚さわずか7mmの39mmケースを採用し、それまで高級ドレスウォッチのイメージだったスポーツウォッチに洗練さと高級感を与えました。
このモデルには、優れた精度、耐衝撃性、日付表示機能とデザインを完全に統合した新ジャンルの腕時計でした。
そして、ムーブメントには自動巻きムーブメント Cal.2121が搭載されることになりました。
こちらのジャンボですが、今となっては1000万程度で取引されていますが実は発売当初は人気がありませんでした。
と言いますのも、当時のスタンダードなサイズからは大きくかけ離れており、現代からは考えられませんが、『大きすぎる』ということであまり人気がなかったのです。
それ以来、モデルには永久カレンダーやムーンフェイズ、クロノグラフなど、さまざまな新しい複雑機構が導入されていくことになりました。
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1977〜84年 Ref.4100(14100) 35mm
その次に誕生したのが、1977年に次期型であるRef.4100になります。
ケース径は35mmに改められ、当時のスタンダードなサイズになりました。
搭載ムーブメントはCal.2123であり、こちらはジャガールクルト社製のCal.889をベースに作られています。
この時代のラグスポには、結構な割合でジャガールクルトのムーブメントが搭載されていますが、薄型自動巻ムーブメントを作れる会社はジャガールクルトしかなかったからなんですね。
ちなみに、35mm径の時計はこのモデルだけであり、これ以降のモデルではだんだんと大きくなっていくことになります。
では次に、クオーツモデルを簡単に解説させて頂きます。
1978〜80年頃まで Ref.6005SA クオーツ 33mm
こちらは進化の歴史とは少し違いますが、今となって見てみるととても魅力的なモデルだと判断したので、少しだけご紹介させて頂きます。
搭載ムーブメントは、クオーツCal.QZ2511でスクエアのケースが採用されています。
1980年代から少数で生産されたのですが、ロイヤルオークのデザインをそのまま受け継ぎつつ、他社ブランドでは真似することの出来ない、個性的なモデルになっているのが特徴です。
そして、次期型になると形も私たちが知る一般的な8角ベゼルの形に統一されることになりました。
では、そちらの新しいモデルを見てみましょう。
1980年代半ば〜2010年代半ば Ref.56175ST 33mm クオーツモデル
Ref.56303
ケースサイズは、33mmと今ではレディースサイズとも言われますが、ボーイズサイズと言っていいでしょう。
クオーツモデルで、一般的なロイヤルオークの形に戻ったのはRef.56175とRef.56303からであり、このモデルからはクオーツモデルは細く長く生産されていくことになりました。
こちら2つのモデルなのですが、色々調べてみたのですがどうやら生産されていた期間も同じで、同じQZ.Cal.2612が搭載されていました。
ですので、型番が違うだけでほとんど同じ役割を果たしていた2つのモデルが、同時にラインナップされていたことになります。
この2つのモデルの詳細について、ご存知の方がいらっしゃいましたらご連絡お願い致します。
では次期型を見てみましょう。
2016年〜現在 Ref. 67650ST 33mm クオーツモデル
そして2016年になると次期型である、Ref.67650STが誕生し現在まで続くクオーツモデルとして存在しています。
ここまでがクオーツの歴史であり、ここからは再度機械式モデルを見ていきましょう。
1990〜1992年 Ref.14700 36mm
Ref.4100の35mmモデルと次期型のRef.14790の過渡期モデルであり、Ref.14790のパイロット板とも捉えていいでしょう。
裏蓋のNo.は328であり、これがRef.14700を表しています。
生産が終了した時期は明確に分からなかったのですが、1992年にRef.14790が誕生したのを見ると1992年に生産が終了したと考えるのが妥当でしょう。
1992〜2005年 Ref.14790ST 36mm
左側:Ref.14700
右側:Ref.14790
36mm径の最終モデルとなります。
搭載ムーブメントはCal.2225であり、こちらもジャガールクルト社製cal.889/2をコンバートしたムーブメントでした。
36mm径という枠を埋める為なのか分かりませんが、それに近いサイズの37mm径のRef.15450STに続いていくことになります。
では次に39mm径の、新しいモデルを見てみましょう。
1992〜1996年頃 Ref.14802 39mm (20周年モデルとして1000本限定生産)
初代の39mmの成績があまりよろしくなかったのですが、39mm径のロイヤルオークは新しく誕生します。
それが20周年を記念して作られた、Ref.14802STでありこちらは1000本限定で作られたジュビリーモデルになります。
しかし、こちらも大ヒットするというわけでもなく、1000本を売り切るまで4年間かかったと言われています。
では次に、33mm径の自動巻のモデルを見てみましょう。
1995〜2006年 Ref.15000 33mm(ボーイズサイズ)
Ref.15000は当時の人気サイズにマッチしていたために、1995から2006年まで生産されることになりました。
33mm径に合うように、インデックスはショートバーが採用されドレッシーなスタイルになっていますね。
ロイヤルオークの33m径で特筆すべき点は、やはり頑丈なケースと一体型ブレスレットのおかげで、33 mm のケースが示すよりも大きく見えるところではないでしょうか。
このちょうどいいサイズ感が、現代の私たちが見ても手にしたくなる理由なんでしょうね。
しかし、その後だんだんと大きい時計が好まれていくことになり、こちらの33mm径もこちらのモデルで最終となりました。
次は1997年に限定で発売されたイエローゴールドモデルを見てみましょう。
1997年限定 Ref.15050
このRef.15050は、オーデマ ピゲの日本上陸50周年を記念して1997年に作られた限定品です。
これを記念して、ムーブメントのローター部分には「50」が刻まれており、スケルトンのケースバックから見ることができます。
このRef.15050はRef.15000からの派生モデルで、リファレンス番号の末尾にある「50」は、オープンケースバックを備えていることを示しています。
搭載ムーブメントは自動巻きCal.2140が搭載されています。
では次に39mm径のモデルを見ていきましょう。
1996〜1999年 Ref.15002 39mm
1996年、オーデマ・ピゲは15002の発表に踏み切りましたが、この年の生産数をわずか70本に留めました。
Ref.15002モデルの特徴は、14802モデルと同じ8.1mm厚のフラットなケースでありながら、5402と同様のステンレスの裏蓋を採用している点でしょう。
1997年から1999年にステンレス製174本とイエローゴールド製12本の合計186本の15002モデルが生産されましたが、この15002モデルは短命に終わり、更なるブラッシュアップを受けます。
2012〜2022年 Ref.15202 39mm
Ref.15202は2012年に初代のRef.5402を復刻したモデルになります。
名前を『ロイヤル・オーク・ジャンボ・エクストラシン』と命名され、当時のジャンボというワードが入っています。
また、ムーブメントもRef.5402と同じものが搭載されており、Cal.2121が搭載されています。
ベースとなっているのは、同様にジャガールクルト社で同社のcal.920をコンバートして作られています。
ちなみに、このジャガールクルトのムーブメントなのですがヴァシュロン・コンスタンタン、パテックフィリップにも提供されています。
それほどに、機能性と審美性が実現されたムーブメントだったのです。
こちらのモデルには、前期と後期モデルがあるのですがそれらを解説するとまた長くなってしまうので、また別の機会に解説させて頂きます。
では次期型の39mmモデルを見ていきましょう。
2005〜2012年 Ref.15300ST 39mm
このモデルから、ロイヤルオークが本格的に人気になり認知度が上がってきたモデルだと思われます。
時代が段々と大きな時計が人気になってくることによって、ロイヤルオークの39mm径もその候補に上がってきたことが原因です。
先ほど説明したジャンボ・エクストラシンとの違いは、フェイスで見た時の簡単な部分は『秒針』になります。
ジャンボの方には、秒針がありませんがRef.15300STには秒針があります。
ムーブメントも進化しています。
ムーブメントは自社製Cal.3210が搭載され、このムーブメントは先ほども出てきたジャガールクルト社製Cal.920をベースに開発されています。
要するに、Cal.2121の進化系になります。
2012〜2019年 Ref.15400ST 41mm
ケースサイズが41mmとなり、現代的な大型のサイズになっています。
2012年〜現在 Ref.15450ST 37mm
ケースサイズが37mmで新しく誕生したモデルです。
2019年〜現在 Ref.15500ST 41mm
Ref.15400STの生産が終了し、次期型であるRef.15500STが誕生しました。