クロノグラフ腕時計 精微なメカニズムが光るスプリットセコンド・クロノグラフ

抜群の操作性と、高精度を誇るクロノグラフ

スプリットセコンド・クロノグラフは機械式時計のクロノグラフの中でも、もっとも機構が複雑なクロノグラフとして知られています。

なぜそう言われるのかというと、その抜群の操作性にあります。

驚くべき高精度な計測のやり方を実現しているクロノグラフなのです。

一般的にクロノグラフには、1本だけのセンター秒針がついています。

しかし、このスプリットセコンド・クロノグラフにはセンター秒針が2本もついているのです。

なぜ、2本もセンター秒針が必要なのでしょうか。

それは、複数の計測を簡単に行うためだったのです。

計測をするとき、2本あるクロノグラフ秒針は、互いに重なって動いている状態です。

しかし、第2のストップボタンを押すと、止まる秒針は1本だけ。

もう1本は、止まることなくそのまま動き続けるのです。

さらに、同じボタンをもう1度押すと、先ほど止まっていた針が再び動き出し、動いていた針に追いつき、計測をリスタートさせます。

これは、ラップタイムを計測するときや、ゴールの着順を計測するときに、とても簡単にできるということなのです。

スプリットセコンド・クロノグラフの基本操作

IWCのポルトギーゼ クロノ・ラトラパントについて

無駄のないスタイリッシュなデザインが目を引くモデルです。

これは、1993年のIWC創業125周年を記念して発表されたモデルの第二弾にあたります。

はじめて1940年代に作られたオリジナルモデルの限定復刻モデルを、現代版のボルトギーゼとしたものなのです。

スプリットセコンド用のプッシュボタンは、通常通り10時の場所にあります。

30分の積算計も装備。

手巻きのSSケースで価格は92万5000円です。

スプリットセコンド・ボタンについて

左側10時の場所についているのが、スプリットセコンド・ボタンと言われるボタンです。

計測をスタートしたあと、このボタンを押します。

すると、動いていた2本のクロノグラフ秒針のうち、1本がストップするのです。

しかし、もう1本は動きを止めません。

もしも、このときまだ動き続けているクロノグラフ秒針を止めたいのであれば、2時の場所にあるスタートストップ・リスタートボタンを押します。

こうすることで、2つの計測結果を表示させることが可能となるのです。

さらに、再びこのスプリットセコンド・ボタンを押すと、最初に止まったクロノグラフ秒針が、あとから止まったクロノグラフ秒針に追いつきます。

そして再び、この2本のクロノグラフ秒針は同時に動き出すのです。

4時の場所にあるボタンは、リセットボタンとなります。

このリセットボタンを押すと、どの場所にあるクロノグラフ秒針もすぐにゼロの状態に戻すことができるのです。

スタート・ストップ・リスタートボタン

2時の位置にあるのが、スタート・ストップ・リスタートボタンです。

このボタンは、名前の通りスタート、ストップ、リスタートするためのボタンとなっています。

計測をスタートさせる際に、このボタンを押すと、クロノグラフ秒針が2本とも同時に動き出します。

もう1度、同じボタンを押すと、動いていた2本のクロノグラフ秒針は2本とも同時に動きを止めます。

このとき、もし2本のうち1本のクロノグラフ秒針だけを止めたいというのであれば、10時の場所にあるスプリットセコンド・ボタンを押します。

そうすると、2本のうち1本だけが停止をして、もう1本は動き続けているのです。

つまり、このスプリットセコンド・クロノグラフは一般的なプッシュボタンを3つ備えているということなのです。

スプリットセコンド機能搭載モデル

ジラール・ペルゴ スクーデリア

1/8秒をカウントするジャンピング・セコンド機能がついたモデル。

ジラール・ペルゴはフェラーリと縁が深いことで有名です。

1929年にエンツォ・フェラーリが設立した、フェラーリ・チーム会社の70周年を記念して、ジラール・ペルゴが発表したモデルとなっています。

自動巻きの18KPGケースで価格は330万円です。

 

ユリス・ナルダン クロノスプリット ベルリン

文字盤がギョーシェ加工されているモデルとなっています。

こちらのモデルは、1936年に開催されたベルリン・オリンピックをイメージして作られたものです。

少しクラシカルな要素を含んだクロノグラフとなっています。

12時の場所には30分計が、3時の場所には時・分針があり、6時の場所にhあ12時間計を装備しています。

少し変わった針の形状が、優美な印象を与えてくれます。

タキメーター装備、自動巻きのSSケースで価格は98万円です。

 

ブランパン スプリットセコンド クロノグラフ

時計史に残る大きな偉業を達成したのは、ブランパンでした。

それは、世界ではじめての自動巻きスプリットセコンド・クロノグラフムーブメントの開発に成功したことです。

1989年のことでした。

それ以降、ブランパンの技術は高く評価されており、機械式時計の制作に関して、高い地位を保持していました。

そんな技術を結集して作られたのが、このモデルです。

気品に溢れ、スタイリッシュなデザインとなったモデルは、ブランパンでも自信の一本となっています。

自動巻きで価格は580万円です。

アイクポッド ヘミポッド クロノグラフ ラトラパンテ

こちらのモデルのコンセプトは「革新的でありながら、耐久性のあるデザイン」。

インテリアデザイナーである、マーク・ニューソンと共同開発して作られた一本です。

とても高性能なアイクポッド・ウォッチとなっています。

複雑なムーブメントを、ユニークながら洗練されたウェーブの形状をしたケースに収められています。

自動巻きのSSケースで価格は85万円です。

クロノスイス パトス

1998年に発売されたスプリットセコンド・クロノグラフです。

ギリシャ語でパトスというのは「情熱」の意味があります。

スケルトン使用の、スプリットセコンド・クロノグラフは世界ではじめての仕様となりました。

スプリット・セコンドムーブメントの魅力は、やはりその芸術的とも称される動きです。

こちらのモデルは裏側もサファイアアクリル仕様となっているので、じっくりとその動きを見ることが可能となっています。

自動巻きのSSケースで価格は130万円です。

ブレゲ ダブルコラムウィール・スプリットセコンドクロノグラフ

裏側は、サファイアアクリルのシースルー仕様となっている一本です。

自己修正ブレゲ・バランススプリングを搭載しているモデル。

こちらの自己修正ブレゲ・バランススプリングは、スプリットセコンドの機構や動きなど、時計の精度にまったく影響を与えないものとなっています。

鏡面仕上げダイヤルを使用したこのモデルは、ブレゲらしい圧巻の一本となっています。

手巻き式で18KYGケース、価格は520万円となっています。