ディアボロ(Diabolo)の、最初の誕生は1910年代と言われてます。
その後、しばらくその存在は確認されず次に表舞台に出てきたのが、1990年代になります。
そんな1990年代に誕生したカルティエの『ディアボロ』なのですが、カルティエのモデルの中でも、最も理解されにくく、最も知られていないモデルの1つと言えるでしょう。
カルティエは「タンク」「サントス」などの影響力のあるモデルで有名ですが、他にも珍しい時計も無数にあり、このディアボロも間違いなく最も魅力的なモデルのひとつです。
ここではそんな『ディアボロ』というモデルについて、詳しく解説させて頂きます。
ディアボロってどんなモデルなの?
このディアボロという名前の由来なのですが、デザインを特徴づけるラグやリューズが中国で古くから使われてきた2本の棒を使う、カップ型の曲芸器具に由来しており、語源は『交差』と『投げる』を組み合わせた言葉になります。
※ディアボロにインスピレーションを与えた中国伝統の玩具「空竹」(コンジュー)
そんなディアボロの特徴は、ラグは一般的な時計と長さは変わらないのですが、ラグに厚さがなく細くデザインされているので、長く見えることです。
また、そのラグが細いことによってケースが際立ち、厚さがあることによって時計全体を俯瞰して見たときに立体感があり大きく見える視覚効果があります。
次に見て頂きた部分は、『針』になります。
1970年代以降のカルティエは、特別なモデル以外には基本的にソード針が取り付けられていました。
しかし、ディアボロは他のブランドでもあまり見かけない先端の方に、丸型の造形が入る『ブレゲ針』(カルティエではアップルハンドと言われています)が取り付けられています。
ケースのデザインも素晴らしいですが、このブレゲ針がつけられることでより美しく高級感のある時計に仕上がっているのです。
ケースサイズを見てみよう
ケースサイズは3パターン展開されており、ミニ、SM、LMが存在します。
ミニ 21mm
SM 27.4mm
LM 32.5mm
1番小さいミニは、レディースモデルで21mmと現行ではほとんど見かけることのない、かなり小さいサイズで作られていました。
よって、時計という機能よりもどちらかというとブレスレットとしての役割の方が、大きいサイズと言えるでしょう。
次がSMで、こちらはメンズ、レディース兼用サイズになります。
ミニと比べ、大きくなった分文字盤の視認性も良くなり、しっかりと時計としての役割を果たしてれるサイズがSMサイズになります。
そして、普通なら次にMMサイズが来るのですがこちらのモデルはMMが存在せずに、LMサイズに飛びます。
LMサイズはメンズに分類されるのですが、LMで32.5mmというのはちょっと小ささを感じさせますよね。
ですが、先ほども解説した通りサイズだけでは分からない立体感と重厚感があるために、小ささを感じさせないのです。
ラグまで含めたデザインと考えると分かりやすいですが、基本的なラグではなくラグにも装飾が入ってるので、そこまで含めて計算されたサイズなんですね。
また、LMサイズからは文字盤にギョーシェ彫が施されるようになります。
ギョーシェ彫は、製造に時間と手間がかかることから高級機にしか採用されず、文字盤からもその美しさを感じることが出来るのは嬉しいことですよね。
ムーブメントを見てみよう
ミニとSMサイズには、クオーツムーブメントが搭載されておりLMサイズには手巻きのムーブメントが搭載されています。
素材を見てみよう
ディアボロはカルティエのメインラインに入ったことはなく、常に限定で生産されてきました。
そのため、ステンレス素材で作られたモデルは存在せず、全てのモデルが18kイエローかホワイトゴールドで展開され、さらにその上のモデルになるとプラチナで生産されています。
ちなみにプラチナは50本限定でしか生産されていません。
複雑機構モデルのラインナップ
基本的な時間機能を備えた作品に加え、クロノグラフやトゥールビヨンなどの複雑機構を備えたモデルもあります。
まとめ
カルティエのデザイン性の高さを伺うことができるディアボロなのですが、通常のラウンド型の時計とは全く違います。
腕に乗せた時のことまで考えてデザインされているので、立体的なケースは手元を華やかに演出してくれまし、かといって主張が激しいわけでもありません。
また、ケースから伸びるラグは腕に巻く際に安定感を与えると同時に、装飾的な美しさも感じさせてくれます。
見たり聞いたりして判断するよりも、実際に手に取って見てみるとここまで違うのか!?と感心させられる完成度の高さなので、気になってた方は是非とも実際に来店して手に取られてください。