機械式時計・手巻き時計 ジャガールクルトについて マスターコントロール・マスターカレンダー

ジャガー・ルクルトは時計産業でさかんなスイス・ジュウ渓谷にある時計ブランドのひとつです。

現在はIWCやブレゲと同じく、リシュモングループの傘下に入っており、そのブランドの力はますます強くなっています。

ジャガー・ルクルトの特徴は、シンプルながらも気品に満ちたデザインと高い耐久性を実現しているところです。

後述しますが、特に「レベルソ」コレクションはその耐久性においてよく知られている、ジャガー・ルクルトの代名詞のような存在です。

もちろん頑丈さやデザインだけがジャガー・ルクルトの特徴ではありません。

「デュオメトル」コレクションに代表されるデュアル・ウイングムーブメントというジャガー・ルクルト特有の機構を持った時計や、

トゥールビヨンの時計を作る、非常に繊細な作業が要される時計を作れる技術力の高さもジャガー・ルクルトの大きな特徴です。

 

そして、ジャガー・ルクルトは自社で製造を一貫するマニュファクチュールのひとつです。

すべて自社で製作し、1000時間コントロールテストという非常に厳しい検査を自社で行います。

ジャガー・ルクルトは常に高い品質で世に時計を送り出している、ブランドの中のブランド、選んで間違いのない時計ブランドなのです。

 

■歴史

ジャガー・ルクルトの系譜を紐解くと、そこまで時代を遡れるのか、と驚くことでしょう。

ルクルトの血を持った、ピエール=ルクルトは1530年~1600年ころに、ジュウ渓谷にたどり着きます。

 

フランス人でユグノーだった彼は、迫害され、難を逃れて安住の地を求めて、スイスまで来たのでした。

その後、ピエールの息子が、そこに教会をたて、1612年にル・サンティエという村を作ったのでした。

ジャガー・ルクルトは今でもこのル・サンティエに本社を置いています。

 

そこから時が経ち、1833年に子孫のアントワーヌ・ルクルトが時計工房を開き、マニュファクチュールの母体を形成しました。

余談ですが、1844年に「ミクロン」という単位が発見されますが、この「ミクロン」という単位を発見したのはアントワーヌ・ルクルトでした。

アントワーヌ・ルクルトがどれだけ時計の精度をあげようとしていたのがはっきりと伝わる逸話ですね。

 

1851年、ロンドン万国博覧会にて、イギリスのヴィクトリア女王がルクルト製キャリバーを搭載したペンダントウォッチを購入されると、

この時計の機構が評価され、金賞を受賞。ここでルクルトは一気にその地位を向上することに成功します。

 

1858年アントワーヌ・ルクルトの息子、エリー・ルクルトが家業を継ぐと、1866年にLeCoultre & Cieを設立し、マニュファクチュールが誕生します。

1900年にはエリーの息子のジャック・ダヴィド・ルクルトによって、会社の経営は引き継がれ、親子3代にわたって、マニュファクチュールを経営していくことになります。

 

とうとう運命の出会いはやってきます。

1880年、時計職人であった、エドモンド・ジャガーがパリに会社を設立します。

1903年にエドモンド・ジャガーは自身が発明した当時世界で最も薄い時計の制作をスイスの職人たちに依頼します。

 

この依頼に対して、仕事を成し遂げたジャック・ダヴィド・ルクルトはエドモンド・ジャガーと蜜月の関係となり、

カルティエの時計のムーブメント供給を行っていたエドモンド・ジャガーは、そのムーブメントをすべて、

ルクルト製のものを使うほど、仲を深めていきました。

そして、エドモンド・ジャガーとジャック・ダヴィド・ルクルトの運命的な出会いは1937年にジャガー・ルクルト社を設立することとなったのです。

 

■コレクション

1 レベルソ

ジャガー・ルクルトの代名詞的時計です。

ブランドを超えて、マスターピースとなっているモデルです。

1931年、まだイギリスの領土だったインドにおいて、ポロが陸上競技として、イギリス人たちが盛んに行っていたスポーツでした。

ポロは馬に乗りながら、マレットと呼ばれるスティックで球を打ち合う、激しいスポーツです。

その激しい運動のために何個も腕時計を壊したイギリス人将校は、ジャック・ダヴィド・ルクルトに対し、

マレットで打ち合いをしても壊れない耐久性と、見た目に美しい芸術性を備えた時計の製作を依頼します。

そこで開発されたのが、レベルソでした。

レベルソの名のとおり、ダイヤルケースが反転する仕組みになっており、裏のケースバックが表になるようになっており、

激しい運動による衝撃にも耐えられるようになっています。

ケースはスクエアになっており、オーバルケースにはない、見た目の美しさも有しています。

価格帯も幅広く、30万円代から購入できるものもあります。

 

2 マスター

マスター・グランド・トラディション、マスター・ウルトラスリム、マスター・コントロールなど、様々なラインのあるコレクションです。

グランド・コンプリケーションの要素となる、トゥールビヨンであったり、ミニッツリピーターであったりと、

複雑機構を備えた時計もこのコレクションから発表されています。

マスター・グランド・トラディションではグランド・コンプリケーションの時計、

マスター・ウルトラスリムは厚さ4.05ミリとピアジェの極薄時計にひけを取らない、薄型の時計が出ています。

マスター・コントロールにおいては、ジャガー・ルクルトのタイムピースである、メモボックスを今でも出しています。

メモボックスとは、1956年、アラーム機能を搭載した世界初の自動巻き時計のことです。

1953年にはチャーリー・チャップリンに手巻き式のメモボックスを贈答したことでも有名です。

 

3 ランデヴー

ジャガー・ルクルトの女性用のコレクションがランデヴーです。

作りこみも素晴らしく、ミニッツリピーターやトゥールビヨンを備えた時計もあり、女性用時計のため、

ダイアルの周りにダイアモンドがちりばめられ、見た目の美しさに目を奪われるデザインでありながら、

機能美にもあふれたコレクションになっています。

 

4 デュオメトル

2つの独立した機構がひとつの調速機によって動く、デュアル・ウイングムーブメントでコントロールされている時計です。

2つの独立したメカニズムは、それぞれが固有の動力源と輪列を持ち、一方がテンプに動力を供給し、

もう一方が諸機能を制御するジャガー・ルクルト独自の時計となっています。

 

5 マスター・エクストリーム

海軍にも使用される本格的なダイバーウォッチを発表しているコレクションです。

他のジャガー・ルクルトの時計と比べると、見た目の美しさよりも機能性を重視した時計となっていますが、

レベルソとは異なったタフさを演出できるコレクションとなっています。

 

6 ジオフィジク

ジャイロラボという円形ではないテンプを使用した新しいコレクションです。

1958年に発表されたモデルを現代に復刻した時計があり、注目度の高いコレクションです。

 

7 ハイブリス・メカニカ

ジャガー・ルクルトでグランド・コンプリケーション専用のコレクションです。

天体図を文字盤にあしらったコレクション、うるう年まで計算されたカレンダーを使っているコレクションなど、

ジャガー・ルクルトの技術の結集ともいうべき時計となっています。

 

8 アトモス

アトモスは腕時計ではありません。

動力源が特別で、空気を動力源として動く時計です。

1928年に発表されて以来、これもまた人気の時計です。

密閉カプセルが設置されており、気温の変化に応じて、カプセルの中の混合ガスが膨張と収縮をするため、人の手を必要とせず、

自動的にゼンマイが巻き上げられるようになっています。

 

ジャガー・ルクルトはそのデザイン性から大人の洗練された時計というイメージが強い時計です。ぜひ手に取って、その上品さを身にまとわれてはいかがですか?