ヴィンテージ クロノグラフウォッチ おすすめモデル7選
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ヴィンテージ クロノグラフウォッチ おすすめモデル7選
男性の方であれば、やはりかっこいい時計を身につけるというのは、永遠の憧れではないでしょうか?
そして、時計のジャンルの中でも特に人気があるのが『クロノグラフ』や『ダイバーズウォッチ』かと思われます。
そんなクロノグラフですが、現行モデルであればたくさん素晴らしい作品がありますが、この記事はヴィンテージがメインとなりますので、30〜60年代の作品の『誕生秘話』や『強み』を解説していきます。
私たちは、今も販売されているぎらついた時計ではなく、歴史があり、重厚感があり、無骨で、飾り気のない、ノスタルジックな時計が好きなのです。
私もね、そんなヴィンテージウォッチが好きなんだよ!という方は是非とも最後までご覧ください。
目次はこのようになっております。
1.自社製ムーブメントについて
2.代表的なエボーシュメーカー
3.腕時計も作れるエボーシュメーカー
4.おすすめクロノグラフ解説
4-1.ブライトリング ナビタイマー(エボーシュムーブ・ヴィーナス)
4-2.オメガ クロノグラフ(エボーシュムーブ・レマニア)
4-3.ホイヤー クロノグラフ(エボーシュムーブ・ランデロン)
4-4.ロンジン 13ZN(自社ムーブ)
4-5.アンジェラス クロノグラフ(自社ムーブ)
4-6.モバード クロノグラフ(自社ムーブ)
4-7.ユニバーサルジュネーブ(自社ムーブ)
最後にまとめとなっております。
それでは早速やって参りましょう。
自社製ムーブメントについて
3針時計であれば、まだありえる話なのですがクロノグラフのムーブメントを1から作ろうとすると、部品点数は大きく変わってきます。
よって、ムーブメントだけをメインに製造する会社が生まれ、これをエボーシュメーカーって言うんですが、そこからムーブメントだけを購入して、自社名が入った文字盤やケースなどの部品を組み立てて、クロノグラフが作られていました。
もちろん、ムーブメントも作れるしその他のパーツも作れる会社はありましたが、これをマニュファクチュールと言います。
現在でも知名度の高い、マニュファクチュールブランドはロンジンがあります。
よって、自社でムーブメントを作ることができた会社というのは、それ以外の会社と比べて技術力が高かったと言えるでしょう。
しかし、『技術力』と『マーケティング力』は別であり技術力の高い会社が、倒産や買収のターゲットである場合が多くありました。
限られた資金を、研究開発に使うのか、広告に使うのかの違いですね。
2.代表的なエボーシュメーカー
1920年代から腕時計用のクロノグラフが誕生し、1969年から自動巻クロノグラフに置き換わっていくこととなります。
まず、手巻き式の代表的なメーカーは
・バルジュー(Valjpux)
・ヴィーナス(Venus)
・ランデロン(Landeron)
・レマニア(Lemania)
これらのブランドは代表的なエボーシュメーカーであり、30〜60年代のクロノグラフに搭載されてることが多いです。
例えば、ロレックスのデイトナにはバルジューCal.72が、オメガのスピードマスターにはレマニア社製のCal.27CH、これはオメガに搭載される時にはCal.321と名前が変わります。
ナビタイマーにはヴィーナス社のCal.178が、ホイヤーにはランデロンのCal.13が搭載されていました。
これらの会社の名前は、買収と統合によってなくなってしまいましたが、今でも伝統を受け継ぎなら、ETAやマニュファクチュール ブレゲとして生き残っています。
詳細については、こちらの動画で詳しく解説しておりますので興味のある方はご覧ください。
腕時計も作れるエボーシュメーカー
先ほど出てきたメーカーの他にも、有力なムーブメントを作れるブランドは存在します。
前半に紹介した、バルジューなどのメーカーの違いは、限られたブランドにだけムーブメントを提供していた点にあります。
提携まではいかないが、パートナー企業として互いの強みを生かしながら、また互いの弱点を補いながら時計を作っていたとイメージすると分かりやすいでしょう。
それらを挙げていくと
1.ミネルバ(Minerva)
2.エクセルシオパーク(Excelsior Park)
3.モバード(Movado)
4.アンジェラス(Angelus)
5.ロンジン(Logines)
6.ユニバーサルジュネーブ(universal geneva)
他にもたくさんありますが、一旦スイスの最高峰ブランドを出しています。
これらのブランドの特徴は、自社内、もしくは提携していた会社にしか提供をしてなかったので、生産数が少ないことです。
現代であればやはり、ロレックスやオメガが時計を持つブランドの候補に上がってくると思います。
しかし、この記事をご覧になってる方にとっては、当たり前の話ですがヴィンテージウォッチはそこではありません。
1930〜60年代の腕時計は、そういった現代のパワーバランスではなく、まだまだ乱立していたのです。
その中に、たくさんの素晴らしい企業があったんですね。
ブランド名だけのネームバリューではなく、エボーシュムーブ、自社ブランドの時計、自社ムーブ、自社ブランドの時計などを見ていくと、ムーブとブランドの両方を楽しむことができます。
こうやって話していくと、自社ムーブ、自社ブランドの時計が最強なのでは?
となってしまうのですが、一概にそうではありません。
マーケティングにも力を入れていた会社が今も生き残ってるわけで、そういった活動があったからこそ、私たちはそのブランドに愛着を持ち共感するのです。
ですので、それらも含めて見ていくと一概に機械的な技術だけでなく自分のブランドの想いも加わり、ヴィンテージクロノグラフの面白さは、そこにあると考えています。
ではここからはですね、それぞれの素敵なクロノグラフをご紹介して参ります。
ブライトリング ナビタイマー(エボーシュムーブ・ヴィーナス)
ブライトリングといえば、クロノグラフ腕時計のパイオニアであることは周知の事実でしょう。
その歴史は、1914年の第一次世界大戦に始まり正確な爆撃が必要であるという考えから、イギリスのモーリスがクロノグラフ機構が搭載されている腕時計をつけたことに始まります。
戦時で重要な役割を果たすことから、1923年にブライトリング社からワンプッシュクロノグラフが発表され、その10年後の1933年に2プッシュタイプのクロノグラフが発表されたことによって、普段私たちが見る、典型的なクロノグラフが誕生しました。
戦争が終わったことで、軍で必要とされた機能が民間にも降りてきてブライトリングはそこに目をつけ、私たちが今でも簡単に連想できるパイロット向けの腕時計ブランドとして君臨してるのです。
そしてその代表作はやはり代表作品はナビタイマーでしょう。
搭載しているムーブメントは、ヴィーナスCal.178でブライトリングはバルジュー社とヴィーナス社のムーブメントを使って、ナビタイマーを作っています。
どちらかというと、ヴィーナス社の搭載の方が多く、ヴィーナス社は他社にもムーブを提供していたとは言っても、ブライトリングがほとんどを締めるでしょう。
ヴィンテージナビタイマーについて詳しく知りたい方は、こちらの動画で詳しく解説しておりますので、興味のある方はこちらの動画もご覧ください↓
オメガ クロノグラフ(エボーシュムーブ・レマニア)
スピードマスターは、もう聞き飽きたよ!
と言う感じだと思いますので、別の普通のクロノグラフを紹介します。
オメガとレマニアの関係は密接で、ここにティソも加えたSSIHグループを形成していました。
レマニアの強みは、イギリス海空軍に納品してきた堅牢製のあるムーブメント作りであり、それを実現できる信頼があったことから長年イギリス軍との契約がありましたし、スピードマスターにもレマニアのムーブが搭載されたんですね。
よって、この頃のオメガのクロノグラフ時計にはほとんどレマニアのムーブメントが、搭載されているのです。
レマニアという会社は、自社ムーブ自社ブランドの時計もかなり多く出しているのですが、どっちかっていうと特殊環境でも動作させることができるムーブ会社という特色が強いので、この記事で紹介しているどのムーブメントよりも壊れにくいと思います。
そういったことから、オメガのヴィンテージクロノグラフはあまり市場に出てきませんが、耐久性があり60年以上前のものだとしても現役で使うことができるんですね。
ホイヤー クロノグラフ(エボーシュムーブ・ランデロン)
オータヴィアやモナコが有名なホイヤーですが、その前にも素晴らしいクロノグラフを作っています。
ランデロン社は、バルジュー、ヴィーナス社と比較して安価なムーブメントを作っていた会社です。
2社がピラーホイールをメインに作っていたのに対して、ランデロンの主要キャリバーはCal.48でありこれはカム式でクロノグラフを動作させます。
ですが、ランデロンは高級機用のムーブメントも製造しておりそれがCal.39であり、ホイヤーに多く搭載されています。
他にも初期には、Cal.11がありこれはほとんど認知されてないムーブメントですが、ピラーホイールタイプでブレゲに搭載されていました。
そして、今回出ているホイヤーなのですがCal.39が搭載されています。
今写ってるこちらは、自分のコレクションとして2年前まで持ってたのですが、このムーブメント周りにあるリングは、裏蓋を閉める事によりムーブメントを固定するために用いられる機止め枠になります。
今はタグに買収されてしまったので、タグホイヤーになってしまいましたが、このようにタグの付く前のホイヤーは作りの良いものが多くて好きですし、コレクションに加えて頂きたい1本ですね。
ロンジン 13ZN(自社ムーブ)
今のロンジンは、そこまで大きなネームバリューがあるように感じられませんが、機械式クロノグラフでいえば最強になるでしょう。
代表ムーブメントには、今回の13ZNがあり後継機の30CHがあります。
何が凄いかと言いますと、おそらく世界初のフライバック機能を搭載させたクロノグラフであると言うことです。
1936年にこれに関する、特許を取得しているからですね。
このような技術的なことに加えて、何が評価されてるかというとその手仕上げによって生み出されたパーツの、滑らかな面取りです。
ロンジンはそれぞれのパーツの面取りを、職人が丁寧に行いこのクロノグラフを作っているのです。
大量生産に強いバルジューやヴィーナスと比較すると、ロンジンのやっていることは非効率で、人件費のかかる工程です。
そのため、人件費が上がってくる50年代にかけてロンジンは手のかかる作業を辞めていくのですが、今の私たちが見た時にはそういった丁寧な職人技を感じることができるのがこの時計の魅力なのです。
今、このようなものを求めようとすると想像を絶する価格になるのは、イメージして頂けるかと思います。
アンジェラス クロノグラフ(自社ムーブ)
今となっては、クオーツショックで絶滅してしまい、経営者が変わりながらちょいちょい時計を出してますが当時と今は全くの別物です。
自社ムーブを持っているブランドは、その自社ムーブを作ることができた技術力が評価されます。
1891年に創業したアンジェラスなのですが、当初から技術力が高く1900年のパリ万博では時計は、パワーリザーブ(最長稼働時間)や、精度の高いクロノグラフなどの複雑な技術が認められ、金賞を受賞しています。
また後のベルギー、イタリア、アメリカ、スイスなどで開催された万博や展覧会などの権威ある場所で、数々のグランプリを受賞しています。
そういった技術力が認められたことで1940年には、アンジェラスのクロノグラフがハンガリー空軍に正式採用されました。
このモデルには、ハンガリー語で「エアフォース」を意味する「L.E. ( Legi Ero)のロゴを刻印し、空軍用に供給されたのです。
アンジェラスの歴史については、こちらで詳しく解説しておりますので興味のある方こちらも動画もご覧ください↓
モバード クロノグラフ(自社ムーブ)
モバードの時計は、多くはありませんがこの会社の時計の特徴は、やはりおしゃれであるということでしょう。
クロノボタンの部分や、針には他社ではあまり使われない形状のものが使用されていたり、インデックスは積極的にブレゲインデックスを使用してるように感じられます。
何より、FB(フランソワ・ボーゲル社)のケースを使用したクロノグラフは、ミドーとパテックフィリップと共通で使用され、安価なパテックフィリップとして人々が求める時計の1つです。
ムーブメントは2種類あり、2レジがCal.90で3レジがCal.95になります。
その特徴は、3針ムーブメントにクロノグラフモジュールを載せた2階建の作りで、他社とは少し違った形のムーブメントですが、その完成度は非常に高く一体型クロノグラフと遜色ありません。
モバードの歴史については、こちらで詳しく解説しておりますので興味のある方こちらも動画もご覧ください↓
ユニバーサルジュネーブ(自社ムーブ)
個人的な感想ですが、機械式クロノグラフの最強はこの会社だと思います。
カレンダーを搭載できる時点でも、充分に凄いのですがそのさきのムーンまで搭載されています。
後にバルジューも同じものを開発しましたが、おそらくユニバーサルが最初です。
そういったことを考えると、ユニバーサルジュネーブは2レジから3レジを作り、カレンダーを作り、ムーンまで作れるという全てを網羅していたブランドということになるからです。
ムーブメントだけに投資せずに、腕時計も作りながらここまで完成度の高いムーブメントを作ることができる会社は他にはないと考えています。
そんな複雑時計最高峰のトリコンパックスなのですが、市場に出てくることはよくよくありますが、コンディションの良いものは100万円を超えます。
とはいっても、この時計2014年は大体半額の50万円前後で取引されてたので、大きく取引価格は上がってますし、もちろん今後も上昇していくモデルの1つです。
ユニバーサルジュネーブの歴史については、こちらで詳しく解説しておりますので興味のある方こちらも動画もご覧ください↓
まとめ
その他にも、ボヴェ、ピアース、ミドーなど素敵なブランドがあるんですがある程度、ヴィンテージクロノグラフを網羅して頂けたのではないかと思います。
ヴィンテージクロノグラフの面白いところは、まだまだ不思議なことがたくさんある点です。
このブランドにこの会社のムーブメントが載ってるんだぁ・・・
というのは、長年やっていても新たな発見があります。
例えば、ブライトリングのクロノグラフにランデロンの安価なカム式のCal.48が搭載されてたりすると、もしかしたらこれはブランドを普及させるためにこのムーブを載せてるのかなぁ。
なんて考えたりもします。
そこで文字盤のデザインとかを見て、総合的に判断するんですがこのように、普通ではあまり目に入らないムーブメントにも注目できるのが、ヴィンテージクロノグラフを選ぶ楽しさかなぁって思います。