オーバーホール中　ヴィンテージミリタリーウォッチ ハミルトン 1960年代 トロピカライズド『ハミルトン　マーク11』

ヴィンテージミリタリーウォッチ ハミルトン 1960年代 トロピカライズドでございます😊

オーバーホール中です。

工房から連絡があり次第、戻り日を記載します。

風防5時位置にヒビが入っているために、風防は新しいものに交換します。

その前に作られていたIWCやジャガールクルトのマーク11とほとんど同じスタイル（ケースの中もインナーケースが採用）でハミルトン マーク11と呼ばれているモデルです。

ハミルトン（Hamilton）は、アメリカの伝統的な時計ブランドとして、20世紀初頭から名を馳せてきました。

特に、アメリカの軍隊や航空機パイロット向けに供給した時計はその精度と信頼性から高く評価されており、軍用時計の分野で確固たる地位を築いています。

イギリス軍を担当することになったのは、IWCやジャガールクルトの次かなぁといった印象ですね。

陸軍にも採用されていましたし、1970年代はワンピースケースのトノー型でも採用されましたが、1960年代の陸軍を支えていたのはどっちかっていうとスミスではないでしょうか。

この辺のイギリス陸軍の時計の歴史については、こちらで詳細に解説していますので気になる方はこちらの動画もご覧ください⬇️

しかし、ハミルトンがイギリス外交官に供給した「トロピカライズド75003-3」というモデルについては、一般的なハミルトンの軍用時計とは異なる特別な背景を持っています。

この時計が登場したのは、1950年代後半から1960年代初頭にかけてのことです。

冷戦時代の真っ只中、世界各国の外交官や政府機関は、情報収集や外務活動を強化する必要がありました。

特にイギリスは、世界中で展開する外交活動において、正確で信頼性の高い時計を必要としていました。

その中で、ハミルトンが提供した「トロピカライズド」は、特殊な環境下でも高いパフォーマンスを発揮できる時計として選ばれたのです。

冷戦時代における外交活動は、単なる対話や交渉だけでなく、情報収集や秘密の作戦にも密接に関連していました。

外交官たちは、さまざまな国を訪れ、極端な気候や危険な状況に直面することが多かったため、その活動を支えるために頼れる時計が必要でした。

そのため、特に「トロピカライズド」と名付けられたモデルは、過酷な環境に耐えるための高い耐久性と信頼性が求められました。

「トロピカルとは日本語に直すと熱帯地方であり、その名の通りトロピカルな気候に耐えることができる特別な仕様を持つ時計として設計されているのです。

これは、外交官が熱帯地方や湿度が高い環境で活動する際に、時計の精度を保ちながら使用できることを前提に開発されたものでした。

特にそのケースデザインやムーブメントの選定は、過酷な状況でも信頼性を損なうことがないように考慮されています。

外交官モデルは、ハミルトンのロゴのHが入っています。

また、12時位置にはG.Sのイニシャルが入っています。

このGSの意味なのですが、「GENERAL SERVICE（標準支給）」を意味しています。

第二次世界大戦や冷戦時代には、外交官、政府関係者向けに特定の時計が「標準装備」として支給されることがありました。

例えば、イギリス陸軍や航空部隊では、時計が支給される際に「G.S.」のマークを付けることがありました。

通常モデル（前期型）ではハック機能は搭載されていませんが、外交官モデルにはハック機能が搭載されているCal.S75Sが搭載されています。

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