オメガのダーティダースの腕時計『ペンシル針』モデルの詳細
オメガが第2次世界大戦で採用していたモデルには、通常の先端が三角の針とペンシルバージョンの針が存在します。
これは本来は三角の針が取り付けられていましたが、戦時中ということもあり故障した時には、それを交換する必要があったために、交換した針にはペンシル針が当てられました。
ではこのペンシル針についての詳細を解説致しますね。
イギリス軍にはREMEという部隊があります。
「REME」とは、イギリス陸軍の「Royal Electrical and Mechanical Engineers(王立電気機械技師部隊)」の略称です。
この部隊は、軍用車両や装備品の整備・修理を担当しており、第二次世界大戦中には軍用時計のメンテナンスも行っていました。
オメガの「ダーティ・ダース(Dirty Dozen)」と呼ばれる軍用時計は、第二次世界大戦中にイギリス国防省が12社のメーカーに製造を依頼したモデルの一つです。
これらの時計は、戦時中の過酷な環境で使用され、故障や損傷が発生することもありました。
その際、REMEがこれらの時計の修理やメンテナンスを担当していました。
修理の過程で、REMEは迅速な復旧を優先するため、他の時計の部品を流用することもありました。
そのため、現在市場に出回っている「ダーティ・ダース」の時計には、当時の修理履歴や部品交換の痕跡が見られるものもあります。
これらの修理は、時計のオリジナル性に影響を与える場合がありますが、戦時中の実用的な対応として行われたものであり、歴史的な背景を持つ特徴とも言えます。
したがって、オメガのペンシル針は、この王立電気機械技師部隊による修理やメンテナンスが行われた可能性を示唆していると考えられます。