オメガ シーマスター300 CK2913の歴史と魅力解説

オメガ シーマスター300 CK2913〜簡単な歴史とコレクターズガイド〜

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CK2913のヴィンテージ広告
画像提供:コックス(オメガフォーラムズ)

 

ジェームズ・ボンドが着用したことで有名なオメガのシーマスターシリーズは、歴史上最もクラシックなダイバーズウォッチの1つとして根強い人気があります

シーマスターシリーズは1948年から継続的に生産され続けており、ダイバーズウォッチの定義を確立し、そのスタイルや文化的影響、技術革新において常に時代をリードしてきました。

シーマスター300 リファレンスCK2913は、シリーズ最初のモデルではないものの、半世紀以上にわたってシーマスターの名声を支えてきた、革新と遺産の原点です。

 

CK2913は1957年に発売されましたが、シーマスターの歴史は厳密には1948年に始まりました。

1948年は、オメガ創立100周年と、オメガがオフィシャルタイムキーパーを担当したロンドンオリンピックが行われた時期であり、シーマスターはこの幸運な時期に発売されたモデルです。

初代シーマスターは、60mまでの防水テストが行われ、防水性を備えた実用的なドレスウォッチとして販売されました。

プロのダイバーのための道具とまではいきませんが、ビーチで1日過ごすことできない繊細なドレスウォッチとは一線を画すものでした。

この第一世代のシーマスターは、オメガがイギリス軍のために設計した時計からヒントを得たもので、頑丈なケースに実用的なデザイン、見やすいダイアルや信頼性の高い動作などが特徴です。

シーマスターは実用的なドレスウォッチとして誕生し、後にダイバー専用のアイテムへと進化しました。

この背景から、クラシカルで洗練された外観を保ちながらも、ダイバー専用の道具の中でも必須アイテムとして、分かりやすく機能性も備えたウォッチとなったのです。

 

CK2913は、1957年に発表された2913-1を皮切りに、1961年に発表された2913-8まで8つのバリエーションが存在します。

その後、CK2913はリファレンス14755と165.014に引き継がれました。

皮肉なことに、文字盤に「Seamaster 300」と書かれているにもかかわらず、水深200mまでしか潜れませんでした。

オメガは、これはテスト機器の限界によるもので、時計が原因ではないと主張しています。

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CK2913-3 ブロードアロー時針・ストレート秒針付き
画像提供:バザム

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CK2913-7 スモールアロー分針とロリポップ秒針付き
画像提供:フィリップスオークション

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CK2913-8 スモールアロー分針とストレート秒針付き

 

文字盤と針

CK2913の文字盤デザインは、全モデル共通です。

マットな文字盤には、ラジウムの夜光塗料を施した三角形の時間指標と、ホワイトのアラビア数字が15文毎に配置され、ラジウムの灯りと大きな数字の形状やフォントのコントラストにより、読みやすくなりました

CK2913の最初の3モデルは、時針に大きな矢、分針に細く尖った矢印、そして直線的な秒針が配置され、ブロードアローのハンドセットが特徴です。

2913-4から2913-8までのバリエーションでは、尖った時針と細長い矢印の分針、そして直線的な秒針を備えており、2913-7のみロリポップ秒針を採用しているのが特徴です。

 

ベゼル

8種類のうち、最初の2種類はカウントダウンベゼル、続く6種類はフォワードカウントベゼルが採用されています。

フォワードカウントベゼルは水中ダイビングの経過時間を計るために使用され、カウントダウンベゼルはタイマーとして使用されます。

ベゼルインサートは非常に薄く、10分毎の数字と5分毎のノッチ(刻み目)のみが表示され、文字盤のフォントとは異なるフォントで表示されています。

また、12時の位置のやや上の少し突き出した長方形の部分には、小さな円形のラジウム夜光がアクセントとして施されています。

ベゼルはケースと同じコインエッジ(貨幣の縁のような装飾)のステンレススチール製で、ベゼルインサートは経年変化による破損や交換が多いベークライト製でした。

オメガ、シーマスター、カウントダウンベゼル、ヴィンテージウォッチ
カウントダウンベゼル
画像提供:マートゥルクス

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フォワードカウントベゼル
画像提供:バザム

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交換用カウントダウンベゼルインサート
画像提供:ルナオイスター

 

 

ケース

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ベベル(斜角)の直線的なラグ
画像提供:Bazamu

 

全モデルのステンレススチールケースはHugenin Freres LeLocle(ヒューグニン・フレール・ルロクル)社製で、スクリューバックケース(ねじ込み式の裏蓋)の内側にはHFの刻印があります。

ケースは、絞られた薄型のストレートなラグ(腕時計とブレスレットを固定する部位)で、面取りされたラグのテーパ(先細り加工)により、バランスと安定性の確保が叶いました。

ケース径は38.5mmとし、手首の存在感と読みやすさをバランスよく両立させています。

 

CK2913には8種類のバリエーションがありますが、ケースバックのデザインは3種類です。

2913-1のケースバックデザインは、側面には刻印が施され、フラットバックには刻印が施されていません。

2913-2と2913-3のケースバックには、オメガの象徴的なシーホースのロゴが描かれており、2913以降の最終デザインは、文字刻印のバリエーションを除けば似ています。

CK2913には、#6エンドリンク付きのステンレスステール7077のフラットリンク・ブレスも採用されています。

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ケースバックのバリエーション1
画像提供:Francoiscevert(オメガフォーラムズ)

 

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ケースバックバリエーション2
画像提供:マーチャークス

オメガ、シーマスター、ケース、ヴィンテージウォッチ
ケースバック・バリエーション3
画像提供:ルナオイスター

 

ムーブメント

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オメガ キャリバー501
画像提供:ルナオイスター

  

CK2913は自動巻きキャリバー(ムーブメントの型番)501ムーブメントを搭載し、米国に納入されたCK2913モデルには、代わりにキャリバー500のバリエーションが使用されました。

仕上げの500シリーズは、1956年から1960年までオメガで生産された後、後継機種に移行し、この期間中にいくつかの改良と反復が行われます。

ムーブメントはすべて直径28mm、高さ5.55mm、6拍/秒、46時間のパワーリザーブを備えていました。

キャリバー500は17石で、キャリバー501は19もしくは20石でした。

 

シーマスターシリーズは、シンプルで耐久性のあるドレスウォッチを製造するというオメガの1948年の当初の目標をはるかに超えて、爆発的に成長しました。

1957年のCK2913を皮切りに、私たちは洗練され、耐久性が高く、且つ革新的な時計の遺産を得たのです。

シーマスターシリーズがダイバーを文化の象徴として定着させ、更にはステイタスとすることに貢献したと言えます。

CK2913の後継モデルを着用したことで有名なジェームズ・ボンドのように、この時計はスタイルと技術において、古典主義と技術革新の完璧な融合体として存続し続けているのです。

 

参考文献

http://www.ranfft.de/cgi-bin/bidfun-db.cgi?13&ranfft&&2uswk&Omega_501
https://forums.watchuseek.com/f20/seamaster-story-1957-2014-pictorial-identification-guide-1394618.html
http://chronomaddox.com/seamaster_3oo_a_history.html
https://journal.hautehorlogerie.org/en/the-holy-trinity-of-omega-tool-watches-ii/
https://omegaforums.net/threads/sm300-2913-and-14755.36074/
Omegaforums.comにて@koxと談じたもの