クロノグラフの最高ムーブメント スイスのレマニア(Lemania)の魅力とは

 

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スイス製高級ムーブメント レマニアのクロノグラフ

ヴィンテージクロノグラフに興味がある方であれば、レマニアという名前は聞いたことあるはずです。

レマニアの独自ブランドの腕時計はそこまで知られていませんが、とても素晴らしい種類豊富なレマニアのヴィンテージ時計が存在します。

人気なヴィンテージ時計と言えば、ミリタリークロノグラフです。

それよりさらに前、20世紀半ばレマニアは高品質のクロノグラフを生産しました。

1950年代のブラックダイヤルクロノグラフで、白と銀のダイヤルに比べると、非常に希少なタイプになります。

この時計で何か一番素晴らしいかというと、時計の中に隠れているムーブメントでしょう。

ヴィンテージのクロノグラフを愛する方であれば、オメガのキャリバー321は聞きなれているのではないでしょうか。

世界的にも、これまで作られてきたクロノグラフムーブメントの中で、一番だと認められています。

また、愛好者であれば、オメガの供給元がレマニアだという事実は必ず知っていると思います。

しかし、あまり気づかれていないのですが、レマニアは独自生産の時計にも同じムーブメントが搭載されています。

また、独自のキャリバーCh27は、手巻きクロノグラフの頂点としても知られています。
レマニアのムーブメント Lemania ch27

ミリタリークロノグラフ

ここで、上記でも名前が出てきたミリタリークロノグラフについて見ていきます。

GPSが開発される以前、軍事内では正確なテクニカル時計がとても重要視されていました。

第二次世界大戦時、軍隊の人たちの間で、様々な種類の腕時計が使われていました。

当時、現場で求められていたものは、シンプルで丈夫なものでした。ダイブウォッチは海軍のダイバーや指導官にとっては欠かせないものでした。

そして最後にパイロットウォッチ、これらは飛行の時のみに使われ、非常に正確な時間だけを表示する時計、またはクロノグラフでした。

ドイツ軍、フランス軍、イギリス軍はそれぞれが、一般的な視認性、丈夫さ、正確さの基準を備えたクロノグラフをデザインする学校を所有していました。

ドイツ軍は、ハンハルト(1938年)とチュチマ(1941年)によって生産されたルフトヴァッフェフリーガクロノグラフとともに道を歩みました。

第二次世界大戦が終戦したその後でさえ、航空従事者は、1958年にユンハンスのJ88に変わるまで、ハンハルトのものを使用していました。

フランスの学校はドイツ軍から大きな影響を受けていました。

イギリスの学校

イギリスのミリタリークロノグラフの学校は、ドイツやフランスよりも純粋な学校と言えるでしょう。

そこでは、生産と使用を通して、そのデザインの継続性が実証された高品質で丈夫な時計がデザインされていました。

イギリス国防省(MoD)は、ミリタリーパイロットのクロノグラフのデザイン特質を、名前はクラシックブラック(ホワイトの場合もあり)、2レジスター、非常に読みやすいダイヤルにワークホースムーブメント、それからシンプルに丸い形のケース(のちに左右非対称のデザインに変わる)とし、英国規格を制定しました。

1940年代後半から1970年代まで、イギリスのミリタリークロノグラフは1社のみが生産しており、それがレマニアでした。

その製品は、イギリス空軍やイギリス海軍の艦隊航空隊のパイロットなどによって使用されていました。

プッシュボタンは一つのみで、ゼロボタンが施されており、ボタンが一つのみのクロノはエラーが起きることがないので、操縦していたり、推測位置を測っていたりする時などには、理想的な時計でした。 このタイプのクロノグラフで一番古いものと言えば、レマニアキャリバー15CHT、その後のキャリバー2220になります。  

理想的な時計 レマニア クロノグラフ(キャリバー15CHT)

レマニアのワンプッシュクロノグラフは、1940年代後半から1970年代までイギリス軍のために作られていました。

ラウンドケースのモデルは1940年代半ばに発表されたシリーズ1とシリーズ2の2つのバージョンで知られています。

ちなみにシリーズ3は、左右非対称のケースで見分けやすくなっています。
レマニア クロノグラフ(キャリバー15CHT)
レマニア クロノグラフ(キャリバー15CHT)の裏蓋
裏蓋を見ると、刻印されていることがわかります。

これを見ると、H.S.、Hydrographic Serviceの略であり、この時計が海軍のものだということがわかります。
それから、矢のシンボルと数字の「9」はこれがクロノグラフ腕時計だということを意味します。 その下の番号は、この時計のシリアル番号になります。
レマニア クロノグラフ(キャリバー15CHT)のムーブメント
キャリバーの中身は、レマニアCal.15CHTで、ポケットウォッチムーブメントが元になっています。そして、レマニアCal.15CHTは、レマニアCal.2220のキャリバーのベースとして使われ、シリーズ3クロノグラフで使用されました。  

レマニアのミリタリークロノグラフは特別なもの

1970年代初め、イギリス国防省は、英国規定に大きな改正をし、ツープッシュボタンの使用を許可しました。

この改正で、イギリス空軍の規模やコストの削減にもなりました。

規定の改正により、より多くのメーカーがクロノグラフを提案できるようになり、手頃な価格のムーブメントの道が開かれ、バルージュ7733、ハミルトン、CWC、プレシスタやニューマークなどがそうです。それは、イギリス軍がセイコーの腕時計クロノグラフが使用し始め、クォーツ初期の1980年代まで続きました。

次にお伝えするレマニアのミリタリークロノグラフは一番特別なものでしょう。 1975年~1976年のたったの2年間だけ生産され、イギリス軍に使われることとなるレマニア製最後のクロノグラフでした。

丈夫なケースとそのダイヤルは前モデルのミリタリークロノグラフと同じものでした。違いは、セコンドリセットプッシャーともちろんキャリバー、それこそレマニア1872です。

スイスと南アフリカの空軍の時計として生産されたレマニア1872搭載の時計は限られた数しか生産されませんでした。

ケース、ダイヤル、時計の針が特別なもので、それにより、数少ない生産になり、今では誰もが欲しがる商品になりました。  

シンプルが究極の精巧さ

ダブルプッシャーレマニアロイヤルネイビーRef.818は、イギリスデザインの純粋さが保たれたミリタリーパイロットのクロノグラフです。

このロイヤルネイビーダブルプッシャーレマニアは、今は存在しない最高峰のスイスの時計会社によって作られました。ケースは、シンプルさを極めたものであり、高品質のステンレススチールで、プッシャーを守るために左右非対称になっており、不釣り合いに大きいリューズで楽に巻くことができます。

時計の裏蓋にはNSNのマークと、王の所有物を意味する矢が刻印されています。 読みやすく整ったダイヤルには、丸で囲まれたアルファベットの「T」の文字(トリチウムが使用されていることを意味する)と、ここにも矢が刻まれています。

12と6の数字の外側には四角く、他の数字の外側には点があり、それらは暗闇の中で発光する仕組みになっています。

キャリバー1872は、振動数毎時21,600回、直径27.5mm、厚さ5.7mm、石数18石、48時間のパワーリザーブになっています。

このクロノグラフは、センターセコンドと、3時位置の30分積算計と9時位置のスモールセコンドの2つのサブダイヤルがあります。

特にこのレマニアのクロノグラフは、ミリタリー/パイロットのクロノグラフのイギリスの学校を代表する最高の製品だと言え、噂によれば、500本(1年に250本)しか生産されず、非常に希少なものとされています。 その美しさはシンプルさの中にあります。文字が読みやすく、実用的で機能的、それが遠くからでもミリタリークロノグラフだと分からせてしまうほどです。
レマニア製 ミリタリー/パイロットのクロノグラフ
  レマニアがエモージュとしてムーブメントを提供していたのは 有名な話ですがレマニア社自体が時計を作っていたというのはあまり知られていない 歴史だと思います。  

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