ロレックス腕時計 歴代サブマリーナ進化論

どうも、こんにちは。

ヴィンテージウォッチライフの妹尾です。

今日のこの動画では、腕時計界最強ブランドであるロレックス社から出されている『サブマリーナ』について、歴代モデルの紹介とそれぞれの特徴を解説して参ります。

ほぼ全ての『物』というのは、買った時点で価値は大きく下がりますが、このサブマリーナはその逆で買った時から資産の上昇が始まります。

そもそも構造がかなり堅牢に作られているために、生涯現役どころか孫の代まで使えるために、取引も安心して行うことが出来るのです。

今日のこの動画を最後までご覧頂けると、サブマリーナをより愛して頂けるようになると思いますので、是非とも最後までお付き合いください。

 

サブマリーナの誕生と現行まで続くケース

1940年代後半になると、続々とスキューバダイビングのプロフェッショナルが誕生し、プロでない一般市民の間にもダイブブームが起きました。

そして、ロレックス社はそういったプロのダイバーが深海でも使うことができる、防水時計を求めていることに気がつきます。

「水圧に対して100%信頼できる耐水性」・「暗い水面下でも判読可能な視認性」・「時間の記録によるダ イバーの安全性の確保」をコンセプトにダイバーズウォッチの開発に着手したのでした。

そしてご存知の通り、1953年に『初代サブマリーナ』が誕生し、これはロレックス社初のダイバーズウォッチとなりました。

初代モデルであるRef.6204は、堅牢なステンレス製のケースとブレスレット、潜水時間を記録できる60分目盛り入りの回転ベゼルを装備し、水深100mでの防水性を保証していました。

深海では、私たちの想像する以上に暗いために視界は悪く、そんな環境においても視認性を確保できるようにインデックスと針にはラジウム夜光塗料が塗られており、ダイバーにとって欠かせないサポートアイテムとなったのです。

さらに翌年の1954年には、防水性能を200mにまで高めたRef.6200を発表し、プロフェッショナルの間で、ロレックスのダイバーズウォッチがブームになっていきました。

そんな大ヒットで迎えられたサブマリーナですが、1959年になると大きくモデルチェンジを行います。

それまでの38mmケースだったのが、新しくなったRef.5512からはリューズガードつきの40mmケースに進化し、より堅牢性のあるスタイルに変わります。

そして、この形が私たちが良く知るサブマリーナであり、1959年から多少の改良はあるものの、大幅変更が加えられてないロレックスの中でも、超ロングヒットモデルなのです。

 

ではここからは、そんなサブマリーナの最初期モデルから、3代目モデルを一緒に見て行きましょう。

ちなみに、3代目モデルまでがリューズガードがない38mmサイズになります。

 

ロレックス サブマリーナ ファーストモデル Ref:6204 搭載ムーブメントCal.A260

ロレックス サブマリーナ ファーストモデル Ref:6204 搭載ムーブメントCal.A260

初代サブマリーナの誕生は、1953年まで遡ります。

その初代モデルと考えられているのがRef.6204になります。

リューズガードが装備されていませんが、現行のサブマリーナと比較してもそこまで大きく変わりはなく、この時のデザインがそのまま踏襲されているのが分かると思います。

プロダイバーのために作られたサブマリーナーですが、潜水経過時間を記録できる回転ベゼルを搭載し、水深100mでの防水性を保証した初のダイバーズウォッチでした。

ムーブメントは、全回転片方向巻き上げ式の自動巻きCal.A260を搭載されており、防水ケースのオイスターケースに収められました。

このムーブメントなのですが、ローターは左右どちらにも回転するのですが、主ゼンマイの巻き上げは一方向だけになります。

当時の自動巻ムーブメントは、まだまだローターに課題があったため分厚く、ローターが当たらないよう膨らみを持たせたセミバブルバックになっています。

Ref.6204なのですが、翌年にはRef.6205ヘモデルチェンジしたため、製造期間は立ったの1年間であり、現在では見ることもできない希少なモデルになっています。

文字盤は、2パターン存在し、ミラーダイヤルとギョーシェ彫りを施したハニカムダイヤルが存在します。

実は、同じファーストモデルに分類されるRef.6205があるのですが、1954年に誕生したものの、1955年にセカンドモデルが誕生したことによって、すぐに消えてしまいました。

ロレックス サブマリーナ ファーストモデルRef:6205

 

では、文字盤のそれぞれの形状を見てみましょう。

 

・針

時針 & 分針ともにラジウム夜光塗料が備えられたペンシル針です。

秒針は視認性の悪い深海でも、すぐに判別できるよう先端がロリポップになっています。

 

・ベゼル

5分刻みに記載があり、10、20、30、40、50はアラビア数字でそのほかはバーインデックスで表記されます。

 

・リューズ 

ロレックス 初代サブマリーナ(Ref-6204)のリューズ

リューズは、クラウンマークとスイスを表す『➕』のマークがデフォルトです。  

ここまでがファーストモデルの紹介だったのですが、サブマリーナの初期の頃は、同時期に200m防水モデルも発表されていました。

ということで、次はファーストモデルに分類される200m防水モデルを見てみましょう。

 

ロレックス サブマリーナ ファーストモデル Ref:6200 搭載ムーブメントCal.A296

ロレックス サブマリーナ ファーストモデル Ref:6200 搭載ムーブメントCal.A296

そして、1954年にさらに防水性能を強化した Ref.6200が誕生します。

外見はそれまでと同じように見えますが、200m防水を実現するため、通常のリューズより大きなデカリューズが搭載されました。

これは一般的に『ビッグクラウン』と呼ばれるもので直径8mm径の大型リューズになります。

リューズを大きくすることで、より密閉率が上がり防水効果が向上させることができるのです。

また堅牢性を向上させるために、ケースも100m防水のものより分厚く作られています。

文字盤は、100m防水使用とすぐに違いが分かるようにさせたのかは不明ですが、ドットインデックスから3・6・9の部分だけアラビアインデックスで、その他はバーインデックスで表示されています。

 

サブマリーナの要素もありながら、エクスプローラーの要素を持つことから、このモデルは歴代サブマリーナーの最高傑作として認識されており、コレクターの間では〝キング・サブ”と呼ばれています。

ムーブメントは、100m防水使用モデルにも搭載されていた、Cal.A260の後継機にあたるCa I.A296を搭載しており、こちらもまだローターの厚さを改善できておらずセミバブルバックになっています。

 

では、文字盤のそれぞれの形状を見てみましょう。

 

・針

時針、分針ともにラジウムが載せられた針であり、このモデルでは時針に『ベンツ針』が装備されています。

秒針は100m防水モデル同様、ロリポップなのですが100m使用が針の先端についていたのに対して、このモデルではインデックスの少し内側にあります。

 

・ベゼル

ベゼルは100m防水モデルの配置と変わりはありません。

 

・リューズ 

ロレックス ファーストモデル 200m防水使用のリューズ BREVET

リューズはクラウンのマークの下に、フランス語で『特許』を表すBREVETの文字が記載されています。

 

では次に、セカンドモデルを見ていきましょう。

 

ロレックス サブマリーナ セカンドモデルRef.6536/1 搭載ムーブメントCal.1030

ロレックス サブマリーナ セカンドモデルRef.6536/1 搭載ムーブメントCal.1030

ロレックスは、1955年に第2世代目サブマリーナーとしてRef:6536とRef:6538を発表しました。

Ref.6536は、100m防水モデルの後継機種としてRef:6538は200m防水モデルの後継機に分類されます。

200m防水モデルのRef:6538は次に解説しますね。

この2モデルが発表されたのですが、100m防水のRef:6536は200m防水モデルのRef.6538と同じ分厚いケースを採用していたため、100m防水としては大きすぎるということで、わずか1年で生産終了となってしまいました。そしてその穴を埋めるように、すぐに薄型ケースを採用したRef.6536/1が誕生したのです。

搭載ムーブメントも次期型に進化します。

それまでは両方向回転でありながらも、片側方向巻き上げだったのに対して両方向からも巻き上がるようになったCal.1030が搭載されました。

ムーブメント全体の設計見直しが行われたことで、ローターも薄くなりそれによってケースバックもフラットな形状になり、時計全体が薄型化しました。

文字盤はミラーダイヤルで、ここら辺から普段私たちが見ている、サブマリーナのロゴに近づいてきます。

12時位置には、2ラインで『ROLEX』と『OYSTER PERPETUAL』のロゴが入り6時位置には防水機能を表す『100m/330ft』と『SUB MARINER』のロゴが入るようになります。

個体によっては、その下に『CHRONOMETER』が入るものも存在します。

 

では、文字盤のそれぞれの形状を見てみましょう。

 

・針

 

時針、分針、秒針ともにRef:6200の200m防水モデルで採用された針が継承されています。

 

 

・ベゼル

ベゼルは大きく進化しています。

それまでは5分刻みで配置されていましたが、このモデルから15分のところまで、1分刻みでメモリが配置されています。

現行モデルまで続いているメモリは、この第2世代目から始まったのです。

 

・リューズ 

ロレックス 第2世代目モデルのリューズ

100m防水のため6mmのリューズが搭載され、クラウンマークの下に『➖』のマークが入っています。

この『➖』の意味ですが、ツインロックであることのサインであり、防水機能は100mであることを表しています。

 

では次に、200m防水モデルを見ていきましょう。

 

 

ロレックス サブマリーナ セカンドモデルRef.6538 搭載ムーブメントCal.1030

ロレックス サブマリーナ セカンドモデルRef.6538 搭載ムーブメントCal.1030

1955年に一緒に誕生した第2世代モデルですが、これは第1世代のRef.6200の後継機種にあたります。

歴代サブマリーナの中でも、人気があるモデルでその理由は映画「007」でショーン・ コネリーが演じるジェームズ・ボンドが身につけていたモデルだからです。

製造年:2014

水深200mの水圧に耐えるため堅牢性のある肉厚なケースに、直径8mmのデカリューズ“ビッグクラウン "が搭載されています。

 ムーブメントは100m防水モデルと同じく、Cal.1030が搭載されております。

200m防水モデルの初代の文字盤はエクスプローラーダイヤルでしたが、セカンドモデルからはサブマリーナの象徴的なドットダイヤルに変更されることになりました。

 

 文字盤は初代モデルと同じで、先ほど説明した通り大きな変更は、ベゼルの1分刻みのメモリが追加になったことと、0のポインターの三角部分が赤く塗られていることです。

 

ロレックス サブマリーナ サードモデルRef.5508 搭載ムーブメントCal.1530

ロレックス サブマリーナ サードモデルRef.5508 搭載ムーブメントCal.1530

では3代目の100m防水モデルのサブマリーナを見ていきましょう。

1958年に誕生した3代目ですが、デザインは2代目とほとんど変わりはありません。

変わったのは、搭載ムーブメントであり傑作ムーブメントの1つとして挙げられる1500系ムーブメントの1つ、Cal.1530に変更されました。

 初代、2代目同様に200m防水モデルである、Ref:5510も誕生したのですがRef.5510はわずか1年で製造終了となり、一応3世代目まで200mモデルが存在するのですが非常に生産数が少なかったのか、その資料はほとんど残っていません。

このモデルは、リューズガードを持たない最終モデルとなり、4代目からリューズガードが装備されていくことになります。

文字盤はセカンドモデルとほとんど同じで、大きな変更点はありません。

分かりやすいところでは、0のポインターの赤の部分がシルバーに戻っているところでしょう。

しかし、よくよく見てみるとこのサードモデルの6時位置のラジウム夜光塗料には、バーインデックスの下にドットがあります。

ロレックス 3代目サブマリーナ6時位置のドット画像

これは私の予想ですが、外観の変化がなさ過ぎたので、視認性を向上させるために追加したのではないかと思っています。

ちなみにこれは、海外では!マークに見えることから、エクスクラメーションポイントと呼ばれています。

 

リューズのまとめ

リューズを見れば、その時計が何を表しているのかが分かりますので、これまで解説してきましたが、部分部分だったので少し分かりにくかったと思います。

ここからは簡単に、それらをまとめて解説します。

ロレックス サブマリーナ3代目までのリューズで分かる刻印の意味

これらはサブマリーナの場合の、リューズであることを前提にご覧ください。

まず一番左の『+』マークは、ファーストにだけ採用されたものでこれはツインロックの100m防水であることを表しています。

100m防水なので、リューズの直径は6mmです。

次に真ん中のリューズですが『−』マークはツインロックの100m防水であることを表しています。

要するに『+』『−』ともにツインロックの100m防水を表しており、表記方法を『+』から『−』に変えたというだけなんですね。

もちろん、100m防水仕様なのでこのリューズの直径も6mmになります。

最後の一番右のリューズですが『BREVET』と刻印が入っており、これはロレックス社が取得したと200m防水の特許を表しています。

よって200m防水を実現させるために、100mモデルより大きくリューズサイズは8mmになってるんですね。

もちろん今となっては、リューズは交換されてるものがほとんどだと思いますので、1つの判断基準として参考にされてください。