クロノグラフ腕時計 レマニアの素晴らしきアクアスター 1970/1980年代の腕時計
アクアスター 1970/1980年代編
1960年代の最初のアクアスターレガッタはフェルサの4000Nムーブメントを持ち、カウントダウン機能は5分に制限されていました。
標準機能が変更になり、10分のカウントダウン機能を持つ新たなムーブメントがアクアスターによって開発されました。
レマニア社のスターデザイナーであるアルバートピケ (彼の名は特許上の発明者となっている) の助けにより、新しいレマニア製キャリバー1345が誕生した瞬間です!
この新しい特許 (CH563037, US3910362) により、続いて開発されたカラー文字盤モデルでもアクアスターが全てのレガッタウォッチの開発メーカーの中心になりました。
新しいアクアスターレガッタの登場以降、レマニア1345ムーブメントは他のブランドでも使われるようになりました。
アクアスターによって提出された新しい特許内容(米国バージョン3.910.362)は以下の通りです。
発明者としてアルバートピケが登録されています。
“提示されたカウントダウン機能は、それぞれ1と2に示される通常の時針と分針、および後述の機能によりゼロ設定が可能な秒針の3、残りの分数をカウントできる文字盤の4、そしてこの目的のため半球状で異なる色の付いた4aと4b、カウントダウン用の文字盤上に連続した5つの切り口6を含んでいる。
残りの分数を示す文字盤4は以上の機構により実行後は自動停止し、初期の位置に戻ることができる。”
スイスバージョンの特許は こちらからダウンロードできます。
新しい1970年代モデル レマニア1345ムーブメント搭載アクアスターレガッタ
モデル: アクアスター レガッタ.
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キャリバー: 自動巻 レガッタモジュール搭載レマニア1345 ムーブメント
- ケースサイズ: Ø 38,7 mm / H 15,6 mm.
- 発表年:1970年代中頃
さらに、内側の蓋を回せば3つに分かれます。
二つのケースの間にあるガスケットの経年劣化により、それらを離すのにはとても苦労します。
力を入れすぎるとクリスタルガラスが壊れ、文字盤や針を傷つける可能性があるので、作業には気を付けてください!
ローマ―、セイコー、ファーブルルーバ、そしてホイヤーのような他のブランドでは同じケースのデザインを使っていますが、裏蓋は取り外すことができません。
ムーブメントを取り出すにはクリスタルガラスを最初に外さなければなりません。
アクアスターは標準のねじ込み式の裏蓋を使っているので、ムーブメントは裏側から通常通りとり外すことができ、クリスタルガラスを最初に取り外す必要がありません。
裏蓋には中心に丸くアクアスターのロゴと ‘AQUASTAR - GENEVE’ 、そしてシリアルナンバーが刻印されています。
銀色の文字盤には’REGATE’ の文字の上部に赤くて丸印、銀のアクアスターのロゴ、そして3,6,9時の位置だけに時間の目盛りがあります。
1960年代までのレガッタのリュウズに ’Aquastar’ と署名されていた場所には、1970年代になるとアクアスターの星形のロゴが配置されています。
沢山のアクアスターレガッタが販売されるにつれ、様々なバンドも登場するようになりました。
19mmのイソフレーンラバーがオリジナルのようですが、トロピックスポーツのストラップから派生した物もあるようです。
バックル部分にはアクアスターの星形のロゴがありました。
カウントダウンが機能する仕組み:
レマニアレガッタキャリバー1345は、フェルサキャリバー4000Nと同様、回帰機能を持った最初のアクアスターレガッタの改良型クロノグラフです。
3時の位置にリュウズがあり、2時の位置にカウントダウンをスタート/ストップさせるボタンがあります。
文字盤の下には銀、赤そして青色をした指示用のディスクがあります(黒い文字盤の場合は黒、赤、青です)。
文字盤には、10時から2時の位置に5個の丸い穴が開いています。
クロノ機能が有効になると、5つの点が青くなり、秒針が60の位置に戻ります。
押しボタンを離すとカウントダウンが始まり、秒針が60~0へ逆回転します。
指示用のディスクは時計回りに動き続けます。
1分後に最初のドットが赤になり、5分後には全てのドットが赤くなります。
その1分後、つまり6分後には最初のドットは銀色になり、10分後には全てのドットが銀色になります。
指示用のディスクは回転を停止しますが、秒針は動き続けます。
ムーブメント:
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メーカー: レマニア
- キャリバー: 1345.
- タイプ: 自動巻きヨットタイマー機能付きクロノグラフ
- サイズ: 13,75″ Ø 31 mm.
- 周波数: 28.800 A/h.
- 持続時間: 44 時間
- ジュエル: 17石
- 衝撃防御システム: 無し.
キャリバー1345は、レガッタの構成部品としてキャリバーに統合されたレマニア1341ムーブメントの改良版です。
キャリバー1341は同時期のオメガやティソのクロノグラフに使用されました。
レマニア製レガッタキャリバー1345についての包括的な説明はリチャードアスカムのウェブサイトに書かれています。 こちらをご覧ください。
技術文書については こちら とこちらからダウンロード可能です。
ロブスターテイルバンド付きアクアスターレガッタ:
一風変わったバージョンのアクアスターレガッタが、金属製のロブスターテイル (もしくはアルマジロ) バンドと組み合わさった四角いケースで登場しています。
このロブスタータイプの裏蓋には、文字が書かれていました。
残念ながらすぐに擦り切れてしまったのでしょう、現在では当時の文字そのままで残っているものは大変貴重です。また、シリアルナンバーも刻印されているものもあります。
どちらもレマニア製キャリバー134xムーブメントを使用しています。
そしてオメガ、ティソ、そしてレマニアはSSIHグループの一員で、(こちらのティソの項目を参照)、 それらのブランドではとても良く似た側が使用されました。
ロブスターテイルのアクアスターレガッタは、銀、黒、そして青の文字盤の種類があります。
文字盤が銀色のバージョンは黒の時針、分針をしています。一方、黒と青のバージョンは白い時針、分針をしています。
これらの文字盤にはアクアスターの星形のロゴが描かれています。
時間の目盛りは2時から10時までの間に増えています (以前は3時から9時の間でした)。
全てのバージョンで秒針はオレンジになっています。
指示用のディスクは青と赤から青とオレンジになりました。
バリエーション:
私は、裏蓋にガレオン船をあしらったティソの側を持ったアクアスターロブスターテイルに何度となく出くわしました(こちらのティソの項目を参照)。
長年にわたってスペシャルエディションが制作されました。
以下はインターネットからピックアップしたサンプルの数々です。
Benytone レガッタ, Rodania レガッタ、そして Delma レガッタ、それらは皆銀の文字盤をもったティソのケースで出来ています。
黒い文字盤のValgine レガッタand Pierceレガッタも共にロブスターケースです。
それらすべては9個の目盛り付き文字盤で、’Regate’ではなく’Regatta’ と呼ばれている点に注目です。
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1970年代にアクアスターは、同じレマニア1345ムーブメントを使いながら分離式でないケースのレガッタオリンピックスタートを発売しました。
このケースもまたレマニア製もしくはレマニア向けで、製造コストが安かったに違いありませんが、それだけが理由かどうかは不明です。
そして今回もまた同様のケースがティソでも使われました。
レガッタオリンピックスタートの文字盤は、時刻の目盛りが3つに戻り、アクアスターの星形ロゴも復活しています。
黒い針の銀色、もしくは白い針の黒い文字盤が入手可能でした。
1970年代後半のアクアスターレガッタオリンピックスタート
モデル: アクアスターレガッタオリンピックスタート
- キャリバー: レガッタモジュール付き自動巻きレマニア1345ムーブメント
- ケースサイズ: Ø 39,0 mm / H 15,8 mm.
- 販売年: 1970年代後半
アクアスターオリンピックスタートのケースは、裏蓋の中央に丸い目印があります。
その周りに追加の文字が刻印されています。
それらはスチール製 (黒い文字盤) もしくは黒いトロピックラバー製 (銀色の文字盤) のバンドが使われていました。
少なくともこれら2つのオプションは、下記のパンフレットで参照できます。
スチール製バンドは3点折り畳み式の留め具を持ち、アクアスターのロゴと刻印が付いています。
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自動巻きの最後のアクアスターレガッタは、レガッタニューポートとして1980年代に発売されました。
これまで同様レマニア1345ムーブメントを搭載し、ホイヤーがレガッタ用に1983年に発表した134.50xシリーズのケースを使っています。
ホイヤーとのコラボレーションはまだ健在だったのです。
名前がニューポートに変わっても、銀と黒の文字盤はオリンピックスタートと同じです。
ホイヤーは134.500と134.505の2種類しか発表しませんでしたが (こちらのホイヤーのセクションを参照)、アクアスターはパンフレット上には少なくとも3つの異なった機種がありました。
下の写真は、金のスクリュー付きステンレスケースと黒い文字盤のモデル、スチールスクリュー付きステンレススチールケースと銀の文字盤のモデル、そしてイソフレーンラバーバンドと金のベゼル、スチールスクリューのステンレスケースのモデルです。
他の構成のモデルも同様に販売されていました。
1980年代モデルのアクアスターレガッタニューポート.
モデル: アクアスターレガッタニューポート
- キャリバー: 自動巻きレマニア1345レガッタモジュール付きムーブメント
- ケースサイズ: Ø 40 mm / H 15,8 mm.
- 販売年: 1980年代中頃.
アクアスターレガッタニューポートはスチールバンドもしくはイソフレーンラバーバンドのモデルがありました。
アクアスターのサイン入りバンドは、ホイヤーと似ていますがわずかに異なります。
また折り畳み式の留め具になっています。
オリンピックスタートモデルのような刻印付きの裏蓋です。
パンフレットを見ると、アクアスターレガッタニューポートの発売後、オリンピックスタートとニューポートは同時期に販売されていたようです。
オリンピックスタートとニューポートが映ったパンフレット。
出典:
- http://www.aquastar.ch/
- リチャードアスカムさんの根気と助力に感謝します。
- パンフレットをスキャンしてくれたローランドさん、ありがとう。
- アクアスターの写真を提供してくれたマニッシュジェインさんに感謝します。