カルティエの腕時計『サントス』vs『タンク』どっちを選ぶべき?
『サントス』と『タンク』どちらを選ぶべきか?を動画でご覧になる方はこちらから↓
この記事では、カルティエの2代巨頭『サントス』と『タンク』どっちを選ぶべきか?
という永遠のテーマについて、私なりの考えをお話しさせて頂きます。
この2つの角形時計の特徴や魅力を理解することで、より自分に合ったモデルを選択出来るようになると思いますので、是非とも最後までお付き合いくださいませ。
それでは早速やって参りましょう。
『サントス』vs『タンク』
今回の比較なのですが、サントスの形状、タンクの形状という、スタイルを比較するので、大まかな分類としてはスクエア型とレクタンギュラー型の比較という前提でお願い致します。
まずは客観的なデータを見てみましょう。
こちらの2枚の画像をご覧ください。
こちらそのワードがどれくらい検索されているのかを調べることが出来るツールなのですが、直近1年間の平均的な検索数が出ています。
そして、その数字なのですが
『カルティエ タンク』が33100
『カルティエ サントス』が14800
こちらの数字が、月間で検索されている検索ボリュームになりますので単純に比較すると、タンクの方が倍以上多いことになります。
しかし、ここにはおそらく女性ユーザーも一定数混ざっていると思われますので、ここでは3割引いた数とさせて頂きます。
すると月間の検索数は23170程度になります。
よって、控え目に見積もったとしても日本ではタンクに興味を持ってる人の方が多いということが分かります。
では次に、それぞれの特徴を見て見ましょう。
サントスの特徴
サントスの特徴としては、スクエアの形状をしておりぱっと見のイメージとしては、『男らしい』『無骨』『スポーティ』といったところでしょう。
サントスは、歴史上初めての男性用腕時計であり、それまでの懐中時計にベルトをつけただけのものから、ベルトをつなげるための『ラグ』を時計のケースに接続したことが、それまでの腕時計と大きな違いだったのです。
誕生したのは1906年であり、ビスの装飾が特徴的なモデルです。
基本的にそれまでは、懐中時計がメインの概念だったので時計をメインに作る会社では、そう言った『ラグ』の発想が出ず、宝飾品ブランドであるカルティエだから、そこに気がつけたと言えるでしょう。
ちなみに、サントスというモデルは当時の飛行士『アルベルト・サントス・デュモン』に製作を依頼されて作ったものです。
サントスの歴史については、こちらの動画で解説しておりますので気になる方はご覧ください↓
メインの素材はステンレスであり、ステンレス素材の魅力はやはりそう簡単に傷がつかないということです。
通常のサントスであれば、かなりがっしりしていますがサントスデュモンになると、かなりドレッシーになりますので同じサントスでも、それぞれ違った魅力があります。
タンクの特徴
カルティエといえば『タンク』がまず1番最初に連想されますが、時計を知らない人が見てもその形からそれがカルティエの時計であることが分かります。
ドイツに支配されていたフランスですが、当時の先端装甲車の戦車が活躍したことで、独立を勝ち取ることが出来ました。
その平和の象徴として、カルティエのレクタンギュラー型のモデルにタンクと名前が付けられたのでした。
誕生したのは1910年代後半になります。
当時はアールデコブームということもあり、曲線と直線を基調にしたデザインが好まれていました。
カルティエは、そのデザインを他社よりもいち早くデザインに落とし込みタンクのスタイルが完成したのです。
その中でも『タンクルイカルティエ』は、高級モデルに分類されており、使われる素材は基本的には18kのイエロー、ホワイトゴールドでプラチナもあります。
しかしタンクには様々な派生系があり、タンクマストはステンレスの素材しか存在しません。
よってタンクと言っても、上から下まで幅があるのが特徴です。
その形状から、連想されるイメージは『エレガント』『ドレッシー』『フォーマル』と言ったところでしょうか。
サントスと比較すると、力強さはなく感覚的には『大人な男性』と言ったところでしょう。
タンクルイカルティエの詳細については、こちらの動画で詳しく解説しておりますので気になる方はこちらもご覧ください↓
実際に着用してのレビュー
今回の着用レビューなのですが、『サントスガルべ』と『マストタンク』になります。
左側が『マストタンク』で右側が『サントスガルべ』になります。
どちらも素晴らしいモデルなのですが、タンクの方はやはりジャケットスタイルとの相性がかなり良いように感じます。
カルティエ自体が元々宝飾品ブランドとして誕生した背景もあり、薄型で作ってあるために袖口も邪魔にならないですし、手元をさりげなくオシャレに引き立ててくれていますね。
サントスガルべの方は、腕への馴染みが良く手首と一体感を感じられます。
フォーマルさでいうと、タンクに軍配が上がりますがサントスは基本的には、どんな格好にも合いますので、万能性で言えばサントスの方が優秀でしょう。
ガルべの方には、自動巻ムーブメントが搭載されているので、タンクと比較すると少しだけ厚くなっていますし、重くなっています。
軽さでいうと、タンクに軍配が上がりますがサントスには、その厚さと重さからくるがっしりした感じが伝わってきますので、やはりスポーティさではサントスに軍配が上がります。
値段の違いはどれくらい?
ここまでである程度、どちらのモデルが自分には良いなぁってのが決まってきたかと思います。
そこで問題になってくるのが、値段になるのですがここでは実際に、今販売されている現行ラインの価格を見てみましょう。
ヴィンテージウォッチの比較は、個体によってとか付属品によって値段が大きく変わるので、ここでは新品だけの価格を解説します。
現行のタンクルイカルティエは、大体200万円前後の値段がついています。
200万円という数字は、圧倒的に高額であることに間違いありませんが、それに裏打ちされた魅力はあります。
一般的な金銭感覚で考えれば、やはり欲しいと思った時に『ちょっと頑張れば手が届く』というレベルではないかなぁといった印象ですね。
だからブランドなんですけどね。
では、もう一つランクダウンさせた『タンクマスト』を見てみましょう。
革ベルトとメタルブレスの2パターンが準備してありますが、LMサイズは50〜60万円でクオーツムーブメントが搭載されています。
XLサイズは70〜80万円で自動巻ムーブメントが搭載されております。
タンクルイと比較すると、大きく値段は下がりますし素材が違うものの、タンクの形状は同じですし値段を見ればこちらの方が現実的だと言えますね。
では次に、サントスの方を見てみましょう。
現行のサントスは結構なラインナップがありますので、ここではスタンダードなモデルだけピックアップさせてお話しします。
サントスには、ドレスウォッチのサントスデュモンもあり、こちらは大体サントス ドゥ カルティエの半額くらになるのですが、ここでは一応タンクをドレスウォッチの代表としておりますので、被らないように割愛させて頂きました。
現行のサントス ドゥ カルティエを見てみると、ステンレスモデルは110万円前後で18Kモデルになると250〜290万円となります。
こうやって見てみると、サントスは最低でも100万円がスタートラインに入ってくるので、一般的な金銭感覚で見ればタンクマストが候補に入ってきやすいのではないでしょうか。
もちろん、値段だけで比較すればの話ですのでそのモデルの背景や素材、搭載ムーブメントも含めて見てみると、簡単に値段だけで判断することは出来ません。
また、値段に関して言えば中古も一緒に見ていくとさらに幅を広げて、選んでいけるので新品にこだわりがないという方は中古も視野に入れて選ばれてもいいと思いますね。
まとめ
最後にまとめなのですが、タンクとサントスを比較した時にどっちが良くてどっちが悪いというのは、決めることは出来ません。
それよりも、
・自分がどちらの形状が好みなのか?
・自分は普段どんなファッションが多いのか?
(カジュアルが多いのか、フォーマルが多いのか)
・自分は軽い時計が好きなのか?重い時計が好きなのか?
それらの事をトータルで考えて、判断することでタンクが良いのかサントスが良いのか決まってくるでしょう。
それぞれのモデルの歴史を知り、それぞれのモデルの強みや特徴を理解することで、より納得した良いお買い物が出来るのだと思いますね。