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ロレックスには、様々な人気のモデルがありますがその中でもヴィンテージウォッチ愛好家に特に好まれるのはバブルバックではないでしょうか?
その理由は小さなスペースに込められた、当時の画期的な技術やデザイン性が今も世界中のファンを惹き付けるからなのです。
この記事では、そんなバブルバックについて様々な角度から歴史と魅力を解説して参ります。
目次はこのようになっております。
1.ロレックスのバブルバックの歴史と魅力
2.バブルバックの面白い文字盤のバリエーション
3.ベゼルと針にはどんな種類がある?
4.ムーブメントの進化を見てみよう
最後にまとめとなっております。
ロレックスのバブルバックの歴史と魅力
バブルバックは、世界初の防水時計として1933年に誕生し、1955年まで生産が続けれらていたモデルです。
1920年代の後半、時計メーカー各社は、自動巻きムーブメントを作る技術を競い合い、いっそう激しさを増していました。
そんな中、1931年にロレックスのキャリバーメーカーである『エグラー社』が設計したモデルに基づいた時計を生産します。
自動巻ムーブメントの開発競争は起こっていましたが、それぞれの会社が防水時計を作ることとイコールで開発していたかというと、そうではないように思われます。
なぜなら、この時代の防水時計はロレックスのバブルバックが市場のリーダーであり、それに追随できる会社がなかったからです。
ロレックス社は、気密性が高い防水ケースに収めるムーブメントは、自動巻きにする必要があることを理解していた為に、防水機能とセットで自動巻きムーブメントを開発していたと思われます。
それが、後に自動巻きパーペチュアル機構の元となる、「オートローター」でした。
そして、1931年にゼンマイを巻く必要がない自動巻機構である“パーペチュアル”が完成したのです。
それは手動巻きのムーブメントに、360度回転するローターを搭載し時計回りにも、反時計回りにも回転できる自動巻き機構を搭載したものでした。
これは当時先行して世に出された、「バンパー」タイプよりもシンプルでありながらも、巻き上げ効率が高く耐久性が強いものでした。
よって、手動巻きのベースムーブメントの上からローターを搭載する形となり、それを実現させるために裏蓋を広げ、厚みのあるローターを押し込んだのですが、これが泡のように膨らんでいることから『バブルバック』と呼ばれるようになったのです。
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バブルバックの面白い文字盤のバリエーション
70年代から90年代にはコレクターから高い評価を得て、大きなブームがおきましたが、現在も探し求める人が多いのがバブル・バックです。
自動巻きの礎となった画期的な技術に加えて、 今ではそのデザインは1930年~1940年代特有の時計製造の時代を表し、アール・デコスタイルのエレガントさを身に纏った上品さを兼ね揃えるのが魅力の理由です。
ところでこのバブル・バックは、オイスターのパーペチュアルのデザインのひとつであり、多くの文字盤やムーヴメントのバリエーションが存在します。
特に人気のあるアール・デコスタイルは、文字盤のデザインの多用さも魅力です。
ではここからは、そんなバブルバックに搭載された多様な文字盤の種類を見てみましょう。
※飛びローマン
ローマンインデックスなのですが、全部の数字がローマンバージョンも存在します。
そのほとんどは、アプライドインデックスであり立体的に浮かび上がっており、高級感が感じられます。
※アラビアインデックス
※ビッグアラビアインデックス
※飛びアラビアインデックス
そして次が、アラビア、ビッグアラビア、飛びアラビアインデックスなのですがアラビアと飛びアラビアインデックスはアプライドであることが多いです。
アラビアとビッグアラビアの違いなのですが、数字の大きさにあります。
ビッグアラビアは、基本的にはプリントで表示されています。
※クサビインデックス
※バーインデックス
クサビとバーインデックスですが、シンプルな文字盤なのですが6時位置にクロノメーターの表記が入っているものが多い印象です。
※カリフォルニアダイヤル(ユニークダイヤル)
※飛びカリフォルニア(飛びユニーク)
カリフォルニアダイヤル(日本ではユニークダイヤル)とも呼ばれますが、アラビア数字とローマ数字が合体しており3、6、9時位置はバーで表現されています。
バブルバックの中でも、最も人気のある文字盤でユニークダイヤルのものは、そのほかと比べて高値で取引されます。
※24時間表示
なかなか見かけることがない24時間表記の文字盤ですが、24時間表記は赤でプリントされインデックスはアラビアインデックスなのが特徴です。
どの文字盤もかっこいいですが、やはりユニークダイヤルは世界的にとても人気があります。
また、私の感覚的な話になってしまうのですが、これらの文字盤の中でも全部ローマンインデックスの文字盤は、なかなか見かけることが少ないかなぁという印象ですね。
パーペチュアル機構を搭載したバブルバックは、その時代にしては非常に頑丈で、そのケースの構造と防水性から、類をみない人気がありました。
このようにしっかりと設計段階から作り込まれたバブルバックは、およそ90年近く経ったものでも、良い状態で見つけることができるでしょう。
その他にも、1943年から作られた、いわゆる代4世代の殆どのロレックス・オイスター・パーペチュアルはクロノメーター認定がありますが、レアなものではそれをあえて文字盤で表示しない場合もありました。
今回紹介した文字盤は、代表的なものでありそれぞれ微妙に異なるものも存在するので、バブルバックの文字盤にはまだまだたくさんの種類が存在します。
https://www.telegraph.co.uk/luxury/watches/rolex-bubbleback-classic-watch-world-forgot/
ベゼルと針にはどんな種類がある?
バブルバックの面白いところは、文字盤だけではありません。
ケースも特徴的であり、針も複数のパターンが存在します。
ここからは、それらを見ていきましょう。
ではこちらの画像をご覧ください。
まず1番左がノーマルバージョンのベゼルになります。
基本的には、ノーマルベゼルが一番多いです。
そして、真ん中がエンジンターンドベゼルになります。
特徴は、細かな切り込みが入れてあり5分おきにバーの装飾が配置されています。
そして、一番右がドットになります。
これもその名の通り5分おきにドットの装飾が入っていますが、12、3、6、9時方向の部分だけはバーになっております。
またこれらのベゼルは、ケースと一体化しておらずステンレスケースの上からイエローゴールドのエンジンターンドベゼルや、ステンレスケースの上からドットベゼルなど、様々なパターンが存在します。
では次に針を見てみましょう。
それでは画像をご覧ください。
左上から、リーフ、バー、ペンシル、下段に行って、ドーフィン、ベンツ、ダイヤモンドになります。
文字盤との組み合わせを意識して、針も作られているようで例えばビッグアラビアであれば、ペンシル針。
通常のアラビアやローマンインデックスの場合には、バーもしくはリーフが使われる傾向になります。
このように針のパターンも様々に作られましたが、やはり人気なのはベンツ針ではないでしょうか?
ベンツ針の組み合わせとしては、ユニークダイヤルや飛びユニークダイヤルの組み合わせが多いように感じられます。
また、ダイヤモンド針なのですがこちらの針は、かなり珍しいタイプでありなかなか見かけることはありません。
ムーブメントの進化を見てみよう
初期のパーペチュアルには、弱点もあり360度回転はするものの、実際に巻き上げているのは、時計まわりだけでした。
よって、その片方向の巻き上げでいかに効率よく巻き上げていくかが課題であり、そのことによってローターの比重がとても重要だったんですね。
またローターには重さを出すために厚みが必要であり、格納するためのスペースが必要でした。
よって、初期のバブルバックになるほど裏蓋の膨らみが大きいのです。
その時に使っていたムーブメントが、元々あった手動巻キャリバー600に、自動巻機構を搭載させたCal.620でした。
しかし、裏蓋が広がりすぎた不恰好なケースをロレックス社はヨシとしませんでした。
それを克服するために、巻き上げ効率について大きく方向性を変えることとなります。
それまでは、ローターの比重が重要な巻き上げ効率だと考えられていたものが、慣性を利用することと、両方向の巻き上げによって、巻き上げ効率を向上させるという考えのもとでした。
そして、それらを実現したのが1950年頃に作られたCal.1030でありそれ以降から両方向巻き上げ式になり、さらに巻き上げ効率が向上した、今にもその技術が受け継がれるムーブメントが完成したのです。
こちらの画像をご覧ください。
ローターの外周に比重の重い金属を配置することによって、慣性を高めて効率よく巻き上げることが可能になったのです。
こちらの画像をご覧ください。
画像からは少し分かりにくいと思われますが、Cal.620時代は裏蓋に結構な幅があったのですが、Cal.1030になると少しだけ薄くなっています。
まとめ
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バブル・バックは基本的にはステンレススチール製で、14Kまたは18Kのイエローゴールドとピンクゴールドケースバージョンが存在します。
サイズは一般的に33mm~34mmです。
今日の標準的な時計に比べると小さめですが、それがエレガントで腕馴染みが良く、今の時代に似合わないという事が起こりません。
それは1930年から1950年代は、アールデコの時代でもあり、デザインと独創性が試される時代でもあったからです。
実験への熱意とともに、未来的なデザインが計り知れない美しさを生み出し、それらが本当のバブルバックの魅力だと分かってる人が多いからです。
今の巨大な時計もかっこいいですが、大きさだけに頼らずデザイン、堅牢製、そしてその時代背景まで含めて時計を見ていくと、また違ったかっこよさがありますよね。
多様なデザインが存在するバブルバックですが、自分のお気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか。