ブライトリング(Breitling) ナビタイマーファースト・セカンド・サードの違い
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ブライトリングというブランドは、男性であればほとんどの人が知っているブランドではないでしょうか?
また、そんなブライトリングの代表モデルといえば、ナビタイマーですよね。
しかしそんなナビタイマーですが、めっちゃシリーズがあって何がなんだか分からない・・・
という方が、こちらの記事をご覧になってると思います。
ということでですね、今日のお話はナビタイマーのファースト、セカンド、サードモデルの違いをメインにお話をして参ります。
目次はこのようになっております。
1.ナビタイマーの超簡単基礎知識
2.ナビタイマーのファーストとセカンドの違いはどこ?
2-1.文字盤の違い
2-2.AOPAマークの意味
2-3.様々なロゴのパターン
2-4.搭載されていた2種類のムーブメント
3.ナビタイマーのセカンドとサードの違いはどこ?
4.フォース(自動巻)から大きくスタイルが変わった理由
5.まとめと一緒にヴィンテージナビタイマーの相場感
となっております。
ナビタイマーって何!?
ブライトリング ナビタイマーは、その他のブランドがこれまでに残してきた中でも最も有名なモデルであり、あらゆるビンテージ腕時計収集家の欲しいものリスト上位を占める代物です。
このナビタイマーなのですが、その前のクロノマットを世に生み出したのはブライトリング家の3代目に当たるウィリー・ブライトリングです。
クロノマットは、それまでのクロノグラフと何が違ったかと言いますと、回転計算尺を装備していたことです。
回転計算尺の話をすると、もう見るのを辞めたくなると思いますので、ここではパイロットにとっては、計測だけでなく高度な計算もできる画期的なメーターだった!という風に捉えておいてください。
それが1942年のことであり、第二次世界大戦中真っ只中ですね。
そして、戦争が終結すると戦争時の航空技術で培われた技術は、民間までおりきて1952年には旅客機がロンドン、ヨハネスブルグ間において世界で初めて、定期運行を開始します。
このように、航空産業が発達していくところを見ていたブライトリングは、パイロット向けの時計を作り出すことになります。
これが、クロノマットの誕生から遅れること10年後の、1952年に発売されたクロノマットを進化させたナビタイマーだったのです。
ナビタイマーとは、航空・航海を意味する『Navigation』と計測を表す『Timer』を組み合わせて作られた造語だったんですね。
当時のパイロットは、ナビタイマーを重宝し使用していたことが分かりますよね。
このように、パイロットから高い評価を受けてナビタイマーは、時計というジャンルの中に全く新しい概念・捉え方を生んだと言われおります。
ナビタイマー ファーストとセカンドのベゼルの違い
右:セカンドモデルのベゼル(1959年)Ref.806
今、左側にあるのが、ファーストで右側にあるのがセカンドです。まずベゼルを見て頂きたいのですが、ベゼル部分は初代ナビタイマーにだけ搭載されているビーズ装飾が施されたベゼル設計となっています。
セカンドのベゼルをご覧ください。
縦ラインの切り込みが入ったベゼルになっております。
なんでこのようにデザインが変わったかと言いますと、飛行機の操縦士は手袋をはめた状態で操縦します。<
そして、時計のベゼルを回す時も手袋をしたままなのですが、ビーズベゼルの場合滑ってしまうんですね。
ファーストモデルの丸いビーズベゼルは、パイロットが実際に装着したときに手袋をはめ、ベゼルを回転させるときに滑りやすいく、使用しずらいという難点が指摘され、セカンドモデルから、滑りにくい機能性を優先させた縦彫りベゼルが考案され採用されました。
ファーストとセカンドの文字盤(インダイヤル)の違い
それでは次に文字盤の違いを見てみましょう。
いろんなパターンが存在するのですが、まず代表的な違いをお話ししますね。
それが3つのインダイヤルの色になります。
左がファーストで、右がセカンドなのですがファーストが黒であるのに対して、セカンドがホワイトになっていますよね。
ファーストは、インダイアルの文字盤に段差がなく、黒色の文字盤に白色のメモリと針がファーストモデルとなります。
セカンドモデルではインダイアルが白文字盤で段差ができ、メモリと針が黒色になっています。
これは、ファーストモデルで文字盤の色と、インダイヤルの色が同じだとインダイヤルが見ずらいということで、セカンドモデルでは反転色が採用されたためです。
今見えているAOPAのマークなのですがこれは、「国際パイロット協会」のことを意味するマークであり、「AIRCRAFT OWNERS AND PILOTS ASSOCIATION」(エアークラフト オーナーズ パイロット アソシエーション)の略です。
国際パイロット協会って、何かって言いますと飛行機オーナーで結成された教会であり要するに、操縦士が認めた時計ってことですよね。
このようにブライトニングは、AOPAの公認クロノグラフとして認められ、このウィングマークをナビタイマーの文字盤に採用しています。
ファーストは、全部このダブルウィングのマークであり中央にAOPAと記載されております。
ちなみに、AOPAが入ってないものも存在するのですが、これはAOPAが入ってるものはアメリカ市場向けで、入ってないものはヨーロッパ向けに区分けされたものです。
しかし、ナビタイマーのセカンドモデルには文字盤のマーク表記に、いろんなパターンが存在しますので、今からはそれをみていきましょう。
ブライトリング ファースト・セカンドモデルの様々なパターン
ファーストのロゴは、先ほども解説した通りAOPAですが微妙なデザインの違いがあります。
先ほども解説した通り、ファーストの基本ロゴはダブルウィングでAOPAなのですが、「BUEITLING」と「GENEVE」も入っています。
こんな感じですね。
しかし、よーく見て頂きたいのですが、ダブルウイングの上にあるバージョンと下にあるバージョンがありますよね。
そして、こちらはダブルウイング単体バージョンになります。
こういった感じで、ファーストだけでも様々なパターンのロゴが存在します。
そして、ここからが本題なのですが私たちを惑わす、ファーストとセカンドの違いを解説していきます。
セカンドモデルのダイヤルの大きな変更は、ブライトリングのロゴが 「AOPA」からツインジェット(2羽の鳥)に変更されたことです。そして、先ほども説明しましたが、ベゼルが縦ラインに彫られていることです。
なのですが、ファーストのAOPAダブルウイングのロゴが入ってるのに、白インダイヤルで、縦彫ベゼルも存在します。
こんなのですね。
これは、お店によって判断基準が分かれてるくるところでしょうが、弊社ではセカンドと位置つけております。
なぜなら、セカンドの特徴であるベゼルとインダイヤルを抑えてるからです。
これらのことを踏まえて、これはおそらくセカンドの初期のものだと考えております。
ですので、セカンドの初期にはツインジェットを使わず、まだAOPAロゴを使ってたのではないかということですね。
これはあくまでも、私の推測として捉えてください。
その他にも、これは珍しいロゴでLIP社のロゴも入っています。
ブライトニング ナビタイマーAOPAファーストに搭載されたムーブメント
今左側に写ってるのが、ヴィーナス178というムーブメントです。
ナビタイマーのファーストとセカンドを見つけた時には、ほぼ9割の確率でヴィーナス178が搭載されてると思います。
ここからはファーストモデルでもヴィーナス178に対して搭載されるのが少なかった バルジュー72のムーブメントを搭載したファーストモデルを紹介していきます。
ムーブメントの凄さを解説しても、意味が分からないと思いますのでそれぞれ簡単に両社の解説をしますね。
ヴィーナスをご存知の方はあまりいないのではないでしょうか?
ヴィーナスは、エボーシュメーカーであり基本的には時計の中のムーブメントを作っていました。
そして、いろんなブランドの中のクロノグラフに入っているのですが、やはり代表といえばブライトリングのナビタイマーに搭載されているということですよね。
その他にも、いろんなムーブメントを作ってるのですがヴィーナス社といえば178というくらい、代表的なムーブメントなのです。
では、その次のバルジュー社なのですがこちらもヴィーナスと同じエボーシュメーカーです。
時計の中に搭載されるムーブメントを作っていたのですが、ヴィーナスや他の他のエボーシュメーカーとの違いは、採用された時計ブランドの数です。
バルジュー社のムーブメントは、パテックフィリップのクロノグラフに採用されていますし、みなさまご存知のロレックスのデイトナのムーブメントもバルジュー72なんです。
そんな素晴らしいクロノグラフムーブメントを作っていた2社ですが、ヴィーナスは後にバルジューに買収され、バルジュー社はETAグループに買収されることとなります。
それでは次に、サードモデルを見ていきましょうかね。
バルジュー7736が搭載されたブライトリングサードモデル
ですが、サードになるとインダイヤルが大きくなってるのが分かると思います。
3つのインダイヤルの幅を見ると分かりやすいと思いますね。
そして、ムーブメントなのですがこちらは、バルジュー7736が搭載されております。
ムーブメントの製造コストを抑えるために開発されたものですが、その品質の高さから様々な時計に搭載されていきます。
例えば、イギリス空軍用の時計としハミルトン、プレシスタ、ニューマーク、CWCもこのムーブメントを搭載し、イギリス空軍に納品しています。
それくらい、信頼性と堅牢性のあるムーブメントだったんですね。
もっと、詳しく知りたい方はこちらの動画で詳しく解説しておりますので、興味のある方はご覧くださいませ。
ここまでが、3代目のナビタイマーの話で4代目のナビタイマーは大きくスタイルを変えますので、ここからは4代目を見ていきましょうかね。
ブライトリング クロノマチック キャリバー11 1969年
自動巻を可能にしたナビタイマー
ナビタイマーが数々の改良をしていく中、時代は大きく動いていました。
スイスブランドは、30年近くの年月をかけて研究開発を行なってきた、自動巻クロノグラフをどこが最初に出すかに注目が集まっていました。
しかし、実際には60年代中盤になってもどこの会社からも発表されず、スイスの時計ブランドは連合を作ることにしたのです。
その連合が、ホイヤー・ブライトリング・ハミルトン連合です。
そして、そのムーブメントを専用に開発するための会社として、デュボア・デプラという会社も加えて開発をしていくことになります。
これらの連合が力を合わせて、作り出したのが伝説のキャリバーとも呼ばれているキャリバー11です。
このキャリバーの特徴は、竜頭が以前のものと違って左側に取りけられていることです。
>このムーブメントの発明は、ナビタイマーの改革の方向性を大きく左右するものでした。
そして、1969年にナビタイマーは大きな変革を行います。
これまでの、右側にあるリューズを辞め、左側リューズを採用しナビタイマークロノマチックとして、自動巻モデルであることを前面に出してアプローチしていくものだったんですね。
ちなみにクロノマチックとは、『クロノグラフ』と『オートマチック』を合体して作られた造語になります。
この自動巻開発競争については、こちらの動画で詳しく解説しておりますので、お時間のある際にご覧くださいませ。
まとめ
今日はこんな感じで、ブライトリングのファーストからフォースまでの違いを解説致しました。
まとめますと、ファーストとセカンドの違いが一番難しいと思いますし、セカンド、サード、フォースは全部ムーブメントが違うのでそこを判断基準として見て頂くと分かりやすいかなぁと思います。
ナビタイマーは世界的に人気のある時計なので、ロレックスほどの上昇はないにしても、昔と比べるとやはり値段は高騰しています。
特にコンディションの良いファーストを見つけるのは難しく、コンディションによって価格は大きく変わってきますが100万円前後が相場かなぁといった感じです。
ファースト金張になると、150万円くらいになります。
セカンドは大体70〜90万円
サードは80万円
ナビタイマークロノマチックは60万円
くらいかなぁと思いますね。
しかし、やはりナビタイマーですので作りはしっかりしており、メンテナンスされている個体は、今でも現役で使うことが出来ます。
少しでも、ヴィンテージナビタイマーの魅力に気が付かれた方がいれば、私も嬉しく思います。