ブライトリングによるユニバーサル・ジュネーブ買収!伝説のブランド復活に世界が注目する理由

こんにちは、ヴィンテージウォッチライフの妹尾です。

本日の動画では、『ブライトリングによるユニバーサル・ジュネーブ買収!伝説のブランド復活に世界が注目する理由』という内容で解説して参ります。

 

映像は現在メンバーシップ動画にしているコパイロットの時の映像を流用していますので、適当に見るくらいにしておいてください。

 

2023年12月、スイスの老舗時計ブランド「ブライトリング(Breitling)」が、かつての名門「ユニバーサル・ジュネーブ(Universal Genève)」を買収したというニュースが時計業界を駆け巡りました。

ユニバーサル・ジュネーブは20世紀中盤にクロノグラフの名手として名を馳せた歴史あるブランドであり、長年休眠状態にあったにも関わらず、ヴィンテージ市場では今なお熱い支持を集め続けています。

本記事では、ブライトリングによる買収の詳細、その背景にある戦略、そしてユニバーサル・ジュネーブの再始動が時計業界に与える影響について、詳しく掘り下げていきます。

 

【1. ユニバーサル・ジュネーブとは何者か】

ユニバーサル・ジュネーブは1894年、スイス・ル・ロックルにて創業されました。

20世紀初頭には自社製ムーブメントを用いた精度の高い時計製造で名声を高め、特に1940年代から60年代にかけては、クロノグラフ分野において絶大な評価を獲得しました。

なかでも有名なのが、ジェラルド・ジェンタがデザインした「ポールルーター(Polerouter)」や、「トリコンパックス(Tri-Compax)」「エアロコンパックス(Aero-Compax)」、さらにはレーサーに愛された「ニーナ・リント(Nina Rindt)」モデルなどです。

有名なモデルを所有している一方で、その時計作りのレベルも高く、マイクロローターを搭載した自動巻きムーブメントの先駆者としても知られ、技術面でも多くの功績を残してきました。

しかし1990年代以降、クオーツショックから立ち直ることが出来ず、経営難により活動が低迷し、ブランドとしては長らく市場から姿を消していました。

1990年代のスイスの腕時計業界によくあった、休眠状態ということですね。

ちなみにもうちょっと詳細を話すと、1990年代、ユニバーサル・ジュネーブはスイスの時計グループ「ステラ・ホールディング(Stella Holding)」の傘下に入りました。

このステラ・ホールディングは香港資本の企業であり、事実上ユニバーサル・ジュネーブはその時点から香港の企業傘下に入っていたといえます。

最近の中国がよく使う姑息な技ですね。

日本の不動産も、日本人が買ったように見せて裏では中国人が実権を握ってるものがほとんどですからね。

不動産といい、腕時計といいパクることしか考えられないし、技術革新なんて頭にはないはずなので、まぁこんな感じで結局ブライトリングに戻ってきて良かったと思いますね。

ちなみに、エテルナはまだ中国のハイディアングループが所有しています。

話を戻しまして、この香港企業の買収後、一部のモデル(特にポールルーター)を復刻したものの、本格的な製造・開発は徐々に停止されることになり、ブランドだけが宙に浮いた状態になっていました。

2000年代以降は、ブランドとしての活動はほぼ完全に止まり、市場から姿を消していたというのが実情です。

ではブライトリングの方を見ていきましょう。

 

【2. ブライトリングによる買収の詳細】

2023年12月、ブライトリングはユニバーサル・ジュネーブのブランド権利および関連資産を正式に買収したと発表しました。

この買収により、ユニバーサル・ジュネーブは約30年ぶりに時計市場への本格復帰を果たすことになります。

買収の具体的な内容には、商標権、歴史的な設計図、デザインアーカイブ、そして一部の知的財産が含まれています。

この買収を主導したのは、現在のブライトリングのCEOであるジョージ・カーン(Georges Kern)氏です。

同氏はIWC時代からブランドの再構築と戦略的マーケティングに定評があり、ブライトリングではナビタイマーやスーパーオーシャンなどの再評価を成功させてきました。

ちなみにこの方は2002年からIWCのCEOとして、2017年までブランドの立て直しに奔走されてきた歴史があります。

今回のユニバーサル・ジュネーブ再生計画にも、彼のブランド戦略が色濃く反映されることが期待されています。

興味深い点は、買収後のユニバーサル・ジュネーブはブライトリングとは別会社として完全に独立した運営を行うという方針です。

つまり、ユニバーサル・ジュネーブはブライトリングのサブブランドや派生ブランドではなく、独自のブランド哲学を持つ、ラグジュアリーブランドとして再スタートを切るのです。

さらに、2026年の本格プロモーションに向けて、専任の開発チームおよびデザインチームが既に立ち上げられており、製造拠点や販売戦略の構築も進められています。

現在のところ、スイスの高級ムーブメント製造会社とのパートナーシップや、グループ内での製造設備の活用も視野に入れながら、どのように過去のDNAを現代に蘇らせるかが検討されています。

このように、単なるブランド買収ではなく、ユニバーサル・ジュネーブの復活は時計界全体にインパクトを与える一大プロジェクトとして進行しているのです。

 

【3. 世界の反応──期待と懸念が交錯する】

 この買収に対して、時計愛好家や業界関係者の間では大きな期待が寄せられています。

特にヴィンテージ市場で高騰しているユニバーサル・ジュネーブの名作たちが、現代の技術と感性でどう再解釈されるかに注目が集まっています。

というか既に答えは出ていて、2025年3月にコンディションの良いポールルーターが出て来てたので仕入れようと思ったんですが、2年前と比べて仕入れ値は大きく上がっていました。

一方で懸念の声も少なくありません。

最大の論点は価格設定です。

ジョージ・カーン氏によると、新生ユニバーサル・ジュネーブのステンレスモデルでさえ、価格は15,000スイスフラン(日本円で約230万円)からになるそうです。

この価格は、従来のユニバーサル・ジュネーブのイメージとは大きく乖離しており、「高すぎる」「手の届かないブランドになってしまうのでは」という不安を抱くファンも多く存在します。

これは私の感想なのですが、おそらくこのジョージさんという方はユニバーサルを復活させる自信があって、後からどんどん値上げをしていくよりも最初から高価格帯にして、そういうブランドとして認知して貰う方向なのかなぁ・・・って考えています。

話を戻しまして、また、オリジナルモデルの忠実な復刻を望むヴィンテージファンと、現代的な再解釈を期待する新しい顧客層との間で、デザイン面の舵取りも難しくなりそうですよね。

 

【4. なぜ今ユニバーサル・ジュネーブなのか?】

この買収は単なるブランド救済ではありません。

ブライトリングにとっては、現代の高級時計市場において「ヘリテージ(伝統)」というキーワードが再評価されているトレンドを見越した戦略的な一手だといえます。

ナビタイマーもコパイロットも忠実に再現してくれてますもんね。

一昔前だったら、外側はそれだけど中身が汎用ムーブで・・・・って感じだったのが今の復刻は中身もちゃんと復刻してますからね。

近年、オーデマ・ピゲのロイヤルオーク、パテック・フィリップのノーチラス、カルティエのクラシックモデルの復権など、1970〜80年代にデザインされた時計が再評価される動きが強まっています。

ユニバーサル・ジュネーブのように歴史と美学を兼ね備えたブランドは、現代の市場において新しい価値を持つ存在へと変貌しうるはずです。

さらに、ブライトリングはすでにナビタイマーなどのヘリテージモデルで高い評価を得ており、復刻と現代的再構築のバランスを取るノウハウがあります。

この知見をユニバーサル・ジュネーブに応用することで、単なる復刻ではない“新しいクラシック”を生み出すことができると見られています。

 

【5. 再プロモーションの行方と注目ポイント】

 2026年の再プロモーションに向けて、注目されているのは以下のポイントです。

1.どのモデルを復活させるのか?

 ポールルーターやトリコンパックスといった名作の再登場が期待されています。

2.どのようなムーブメントを採用するか?

自社製か、他社製かが気になるところですが、価格帯からしてまず他社製はあり得ないでしょうね。

3.価格戦略はどこに落ち着くか?

ハイエンド路線か、手の届くラグジュアリーか。その線引きが大きな鍵となりますが、おそらくステンで230万円ならば高級路線で行くと考えています。

4.デザインはどれだけ“今っぽさ”を取り入れるのか?

ヴィンテージの復刻か、新しいデザインの再構築か、そのバランス感覚が問われます。

 

最後にまとめですが、ブライトリングによるユニバーサル・ジュネーブの買収は、単なるブランド復活の話にとどまりません。

それは、時計業界全体が今「伝統と革新の間で何を選ぶのか」という問いに直面していることを象徴しています。

2026年のプロモーションまであと半年です。

伝説のブランドがどのように再誕するのか、そしてそれが市場にどんな影響を与えるのか世界中の時計ファンが、いま固唾を飲んで見守っているのです。