ブライトリング クロノグラフ腕時計~その輝かしい歴史

創立から100年以上の歴史を経て、今もなお業界のトップを走り続けるブライトリング社。創業者の志を代々受け継ぎ、世界の王族や、多くのセレブにも愛用され、現在も世界屈指の高い人気を誇っています。

そんなブライトリング社がどのようにして誕生し、そのブランドを守り続けてきたのか、その輝かしい歴史を、今回はご紹介していきたいと思います。

 

 

このブライトリング社は、1860年、スイスのジュウ渓谷にある小さな村サン・ティミエに生を享けたレオン・ブライトリング(Leon Breitlingによって、1884年に創業されました。わずか24歳のときのことです。手先が器用で時計師としての素質が十分に備わっていたレオン・ブライトリングが自分の名を冠した工房をもち、精密計器の製作を始めたのでした。

 

もともと複雑な機械への憧れをもっていたレオン・ブライトリングは、時代の先を見越した時計づくりに情熱を注ぎました。そのようにして製作されたクロノグラフやストップウォッチは、やがて様々な博覧会や見本市に出品されるようになり、多くの賞やメダルを受賞しました。その時点では、創業してまだ数年しか経っていなかったというのですから、驚かされます。

 

こうして順調に発展していったG・レオン・ブライトリング社は、1892年、時計産業のメッカであるラショー・ド・フォンに工房を移しました。

やがて、レオン・ブライトリングは当時の最先端技術である飛行機に強い関心を抱くようになりました。そして、自らがパイロットになりたいと思うほど夢中になった飛行機に関わる道として、パイロット用の懐中クロノグラフを製作し始めました。

 

ところが、1914年、54歳という若さでレオンはこの世を去り、息子のガストン・ブライトリングが会社を引き継ぐことになりました。レオンの志をしっかりと受け継ぎ、会社をさらに成長させていきました。

ガストンは、クロノグラフの発展にも貢献し、1915年には腕時計型のクロノグラフ「30分タイマー」を発表しました。今日のクロノグラフ腕時計の原型ともいわれています。

 

レオンが亡くなった1914年には第一次世界大戦が勃発し、多くの会社が方向転換や閉鎖に追い込まれましたが、ブライトリング社は、近代的経営、みごとな才能、先を見通す力のおかげで衰退するどころか、ますます発展していったのでした。

 

先を見通す力、というのも、ブライトリング社は、新しい飛行機時代の到来を見据え、飛行機関連の機器の製作に力をいれていたのです。

先にご紹介した腕時計型クロノグラフもパイロットが身に着けられるようにと作られたものでしたが、それ以外にも、飛行機に用いる計器類をブライトリングは次々に生産していきました。

 

1932年に会社を受け継いだ、レオンの孫、ガストンの息子ウィリー・ブライトリングも、この方向性を受け継ぎ、ブライトリング社は飛行機に使う重要な計器類の製作を担いました。イギリス軍の航空機用コックピット・クロックにも採用されたことで、ブライトリング社の機器の精度の高さや耐久性のすばらしさは有名になり、イギリス軍以外の様々な航空機にも採用されるようになりました。

現在も多くの飛行機のキャビンで、ブライトリング製の計器が使われています。

 

ですが、ブライトリングが力を発揮したのは、飛行機関連の計器ばかりではありませんでした。ブライトリング社製の腕時計が、パイロットや宇宙飛行士の間で評判になったのです。

 

そして、1962年にはマーキュリー宇宙計画の宇宙飛行士スコット・カーペンターが、ブライトリング社製の「コスモノート」というモデルを腕に、宇宙へ飛び立ったのです。

こうして、ブライトリング社はアメリカにその名を知らしめたのでした。

 

1970年代にはクォーツが出現し、時計産業を大きく揺るがしました。日本の時計メーカーもこぞって市場に進出し、時計の新時代が到来しました。

 

多くの機械式時計メーカーがそのあおりを受けましたが、ブライトリング社もその影響を避けることはできず、経営不振に陥りました。ブランド存亡の危機にあったブライトリング社は、会社をなんとか立て直そうと経営者を交替。実業家であり、電子工学の専門家でもあるアーネスト・シュナイダー氏が1982年に経営を受け継ぎ、ブライトリング社に新しい風を吹き込みました。

 

そして、新生「クロノマット」を発表。翌年には歴史的名作「ナヴィタイマー」を復活させた「オールド・ナビタイマー」と「エアロ・スペース」を発表しました。

 

こうして、ブライトリング社を復活させたシュナイダーは、次々にエネルギッシュに開発を続けていきます。一時、クォーツ一色になった時計業界も、再び、機械式時計の魅力を評価し始めました。

「クロノマット」と「ナビタイマー」のシリーズは、たくさんのモデルの中でも特に人気で、常に品薄状態が続きました。

 

パイロットウォッチの印象が強いブライトリングですが、その後、海にも目を向け、ヨットレーサーやダイバー向けの腕時計も開発しました。ヨットセーリング用の腕時計「クロノマット・ヨッティング」は、レースの計測に便利な機能のついた自動巻きクロノグラフです。

 

長い歴史の中で、いかにも男性向けの印象の強いブライトリングの腕時計ですが、近年では女性向けの腕時計も発表しています。「レディーJ」というモデルで、デザインは従来の機能的、メカニカルな腕時計に比べ、アクセサリーとして身に着けられるおしゃれなタイプになっています。

 

そして、まだまだ貪欲に新しい道を探り続けるブライトリング社は、2013年に「エマージェンシー」という最新モデルを発表しました。

こちらはなんと、121.5MHzの国際航空遭難信号を発する超小型発信機を搭載した、サバイバル用の腕時計です。航空機が不時着や墜落をした際に、救難信号を発信し続けることができるのです。

これだけの機能をつけたこの「エマージェンシー」は、パイロットなど航空関係者でないと購入することができません。まさしくプロ用の腕時計と言えるでしょう。冒険家のための腕時計と考えると、夢が広がりますね。

 

こうして、100年以上もの間、進化を続けてきたブライトリング。これからも時代の最先端を行くみごとなモデルを発表し続けていってほしいですね。