ユニバーサル・ジュネーブ社のポールルーター
ユニバーサル・ジュネーブのポールルーター
ロンジンやタグ・ホイヤーとともに、ヴィンテージの世界における再発見と人々の関心の高まりを象徴するものが、ユニバーサル・ジュネーブ社です。
そして、再販市場に恵まれつつも、まだ爆発的には売れていない大変貴重なの歴史的モデルが「ポールルーター」です。
始まり
1953年、SAS(スカンジナビア航空)がコペンハーゲンからロサンゼルスまで、初の極地航空路線を企画しました。
(そのため、この時計は最初にポーラ(極地)ルーターと呼ばれていました。)
北極を近道として利用することで、飛行時間を短縮しようというもので、磁気を帯びた北極を通過することになりました。
しかし北極を通過すると、機内の計器やパイロットの時計に異常が発生します。
そこでSAS社は、腕時計のサプライヤーであるユニバーサル・ジュネーブ社に耐磁性腕時計の製作を依頼しました。
この重要な決断によって誕生したのが「ポールルーター」
このプロジェクトは、まず時計工房の最も若い従業員の一人に任されることから始まります。
その名前をジェラルド・ジェンタといい、彼は後に20世紀を代表する時計デザイナーの1人となりました。
パテック・フィリップの「ノーチラス」、IWCの「インジュニアSL」、オーデマ・ピゲの「ロイヤルオーク」などは、実はこのジェンタがデザインしたものです。
1954年、最初のポーラルーターが発表され、その後名称もポールルーターに変更される
34.5mmのケース、ねじれたラグ、セクターごとに分かれた文字盤の内側の銀色のリング(レハウトと呼ばれます)が、この時計にエレガントな印象を与えています。
この3つの要素は、これに続く次のモデルシリーズの基礎となり、製造最終年である1969年まで生産されていました。
最初のモデルは、バンパー型自動巻きキャリバー138SSを搭載
1958年には、新型キャリバーUG215が導入される
このキャリバーには、ムーブメントに組み込まれた小さな振動子であるマイクロローターが導入されました。
このマイクロローターのおかげで、文字盤に「Microrotor」という文字が付け足されることになりました。
キャリバー215はその後、キャリバー66と67になる
厚さわずか2,33mmのこのキャリバーは、世界で最も薄い自動巻き腕時計「ゴールデンシャドウ」と「ホワイトシャドウ」に搭載されます。
この記録は1970年代まで破られることはありませんでした。
その後約20年間、ユニバーサル・ジュネーブはポールシリーズを生産し続けた
ここでは、同社が提案した様々なバージョンの中から、素晴らしく希少なものをご紹介します。
ポールルーター デイト
ポールルーター スーパー
ポールルーター デイーデイト
ポールルーター コンパクト
ポールルーター ジェット
ポールルーター デラックス
ポールルーター サブ
ポールルーター サブ2クラウン