オメガのヴィンテージ(アンティーク) シーマスター120ってどんな時計なの?
この記事では、オメガのシーマスター120について解説して参ります。
動画でご覧になりたい方は、こちらからご覧ください↓
オメガのダイバーズといえば、やっぱり300ですし120とかあるの!?
というのが、ほとんどの方の気持ちだと思いますが本格的なヴィンテージウォッチを、手頃な価格で楽しみたい方にはぴったりの腕時計でしょう。
それと同時に、このシーマスター120の真贋を見分けるポイントも解説しますので、ある程度は時計のここを見れば良いんだぁ。
というのが、分かって頂けると思います。
この動画を最後までご覧頂くことで、シーマスター120についてほとんど理解して頂けると思いますので、是非とも最後までご覧ください。
目次はこのようになっております。
1.1966年 シーマスター120の誕生と300との違い
2.4種類のシーマスター120 ラインナップとプラス1
3.真贋はどこをみるべきか?裏蓋・ケース・文字盤解説
最後にまとめとなっております。
それでは早速やって参りましょう。
1966年 シーマスター120の誕生と300との違い
この記事では、1966年にシーマスター300の弟分である、『シーマスター120』をご紹介します。
シーマスター300について、あまり知らないという方はこちらの記事をご覧ください↓
オメガ シーマスター300 CK2913 〜手短な歴史とコレクターズガイド〜
1955年に発表された、プロダイバー向けシーマスター300の成功により、オメガは120m防水の小型モデルをデザインし、大型モデルのDNAを継承しながらも、より低価格で手にすることができる、シーマスター120を発売しました。
このシーマスター 120は、クッション型37mmトノーケースがデフォルトですが、ボーイズサイズも展開があり31mmがあります。
※ オメガ シーマスター120 37mmバージョン
シーマスター120の特筆すべき点は、オメガ初の日付表示付きダイバーズウォッチであったことです。
そして、これが消費者にも受けたことでこのデイト表示を、別のモデルにも派生させていくことになります。
シーマスター120のデイト表示導入から1年後、デイト表示機能はオメガの高級モデルであるシーマスター300にも搭載されました。
自動巻きムーブメントのみを搭載したシーマスター300とは対照的に、シーマスター120には手巻きと自動巻きの両方があり、いずれもデイト表示とノーデイト表示の両方が搭載されました。
4種類のシーマスター120 ラインナップとプラス1
シーマスター120の主要なリファレンスは、以下の4種類に分類されます。
この表の見方なのですが、左側が日付表示なしモデルで、右側が日付表示ありモデルになります。
そして、上段が手巻きモデルであり、下段が自動巻モデルになります。
このように、同じ時計でも細分化して展開してあると、自分の好きなものを選びやすくてありがたいですよね。
左上から順に、
1.Ref. 135.027:手巻き、日付なし、キャリバー601、611(17石、毎時19,800振動、48時間パワーリザーブ)
2.Ref.136.027:手巻き、日付表示、キャリバー613(17石、19,800vph、48時間パワーリザーブ)
3.Ref. 165.027: 自動巻き、日付なし、キャリバー552(24石、毎分19,800振動、50時間パワーリザーブ)。
4.Ref. 166.027: 自動巻き、日付表示、キャリバー565 (24石、19,800 vph、50時間パワーリザーブ)
ちなみにボーイズサイズはRef.535.007 手巻き、日付なし、キャリバー630となっております。
4モデルともケースバックには、製造工程で使用される化学的なエングレービングによって、軽くエッチングされた海馬が描かれているのが特徴です。
さらに、これら37mmバージョンの4つのリファレンスは、ケース、マット仕上げのベゼル、針、5.5mmのリュウズは共有されています。
自動巻きの165.027と166.027と手巻きの135.027と136.027の違いは、ケースバックの形状にあり、手巻きはフラットで自動巻きはドーム状(巻上げ量の関係で必要)になっているのです。
※オメガ シーマスター120の裏蓋
真贋はどこをみるべきか?裏蓋・ケース・文字盤解説
シーマスター120を購入する際には、内部にオメガのムーブメントを搭載した完全な偽物にご注意ください。
これらのムーブメントは、他のもっと安いオメガの時計に搭載され(結果的に取り出され)、そのムーブメントを搭載させるためのケースが、偽物であることが非常に多いのです。
このようなヴィンテージ シーマスターの価格が上昇するにつれ、シーマスター120に似ているが実際には疑わしい、このようなこじつけの時計が市場に出回ることが多くなっています。
とはいえ、交換部品(受け石、リューズ、針、ベゼル)や修復作業(改装された文字盤、磨かれたケース)は、すべての詳細が時計の説明で適切に開示され、買い手と売り手の両方がそれを認識し、また時計の価格に反映されていれば、完全に問題ないと考えられます。
しかし、あなたが時計にかなりの金額を費やしているときはいつでも、評判の良いディーラーから購入すると、情報に基づいた意思決定を行うの一部です。
間違いは起こり得ますが、何か問題が起こった場合の販売店の反応は、販売店の誠実さを物語ります。
評判の良い販売店は、時計の説明が間違っていたり、出所に疑問がある場合は、常に全額返金に応じます。
初めて購入する販売店の場合、購入前に返金ポリシーについて問い合わせておくと安心です。
本物のシーマスター120の参照は、"3 "と "9 "の位置でケースに小さなノッチ(切り込み)を持つことになります。
では次に裏蓋を見てみましょう。
上記の画像は、左側が本物で右側が偽物になります。
まず、本物の時計のシーマスターのエッチングは浅く堀は浅いです。
しかし、偽物はしっかりと深く掘り込まれています。
それと同時に、Aの部分をみてください。
例えば、SEAMASTERの部分ですが本物のAは上部が切られ平らになっていますよね。
偽物は、上部が切られておらずしっかり尖ってるのが分かると思います。
また、ケースバックの刻印のスペルが正しいか確認しましょう。
当たり前といえば当たり前ですが、このような単純なミスは意外と多いものです。
では次にケースを見てみましょう。
左側が偽物で、右側が本物なのですがまず12時位置のポインターが違います。
偽物はかなり大きなポインターで、ほとんどベゼルと同じくらいの幅を持っています。
そして、これを数えるのは厄介かもしれませんが、5分間の中に含まれるベゼルのギザギザの数に違いがあります。
偽物は、5分間の間に10本の刻みがありますが本物は同じ5分間の中に、12本の刻みが掘られています。
では次に文字盤を見てみましょう。
左側が偽物で、右側が本物なのですが丸で囲ってる部分で判断ができます。
順を追って解説して行きます。
1、オメガのロゴと文字との間の幅が広い
偽物は幅がありますが、本物はそこにはほとんど幅が存在しません。
2、Seamaster 120の文字が違う
Seamaster の文字のSの字は本物であれば中央揃えですが、偽物は少しだけ上にあります。また、120の0の部分だけが大きく等間隔ではありません。
ここからは、デイト表示ありバージョンの見分け方になります。
3、T SWISS MADE Tの入り方がノーデイト表示版で書かれている
偽物はT SWISS MADE Tの間隔がかなり広いですが、これはノーデイト表示の間隔です。
本物のノーデイト表示は実際に、これくらいの間隔があります。
本物のデイト表示ありモデルは、その間隔はもっと狭く右側の本物をご覧頂くとその違いが分かると思います。
4、6時位置の夜光の幅が違う
これもノーデイト表示版を参考にして作ってるようで、偽物は6時位置の夜光の入り方が細く、本物はそれの2倍くらいあります。
本物のノーデイト版は、実際に細いです。
5、デイトの窓が違う
デイト表示の窓のところが、偽物はこの部分がフラットであるのに対して、本物は山形になっています。
まとめ
最後にまとめなのですが、シーマスター300は知ってても120を知ってる方はシーマスターマニアくらいしかいなかったと思います。
今現在で195〜60年代のシーマスター300を購入しようとしたら、大体200万円代半になります。
しかし、120であれば当時の雰囲気を楽しみつつも安価に購入できます。
そもそも流通量が少ないので、言い値になりがちなのですが37mmバージョンで40~60万円くらいで、ボーイズサイズであれば大体35~40万円くらいで取引されてるみたいです。
新しい時計じゃなくて、ヴィンテージウォッチでありながら手頃に楽しみたい!という方にとっては、このオメガのシーマスター120はぴったりの時計ではないかと思います。