クロノグラフ腕時計 人間の英知の結集 最新技術のクォーツクロノグラフ
まさに次世代を背負うクロノグラフたち
一昔前までは、時計の機構と言えば機械式か、もしくは電池式クォーツのどちらかの種類だけでした。
しかし、現在では機械式とクォーツの両方を併せ持つ、複合型のメカニカル・クォーツなども開発されているのです。
さらに、開発されたのはそれだけではありません。
日本のメーカーである、セイコーが開発したのは、電池を使うことなく、腕の動きだけで自動的に発電する機構を持つ、キネティックと呼ばれるものでした。
他にも多種多様なムーブメントを多くのメーカーが、開発しています。
さらに、昔のアナログな雰囲気を残しつつも、多彩な機能を持つクロノグラフである「アナログ&ハイブリットモデル」なども誕生しているのです。
このように、クロノグラフはその場に踏みとどまるだけではなく、次世代へ向けて着実にその歩みを進めているのです。
キネティック・クロノグラフ
ユニークで斬新なデザインの、セイコー アークチュラ キネティック クロノグラフ。
4つの小さいダイヤルは、それぞれ独立しています。
9時の場所に1/10秒表示、6時の場所に時刻表示、3時の場所には12時間計と30分計を表示してあります。
さらに4時の場所には、瞬間日送り機構のついた日付表示も装備しているのです。
セイコーは1988年に、腕の動きだけでローターを回転させ、その回転によって超小型の発電機を可動させるという仕組みをもった自動発電機構(キネティック)を開発しています。
このアークチュラ キネティック クロノグラフもその自動発電機構を採用しているクロノグラフとなっています。
アークチュラ キネティック クロノグラフに採用されている「Cal.9T82」は、1/100秒計測機能を持つ、セイコーの「7T系」というクォーツキャリバーの技術とキネティックを組み合わせているという特徴を持っているムーブメントなのです。
さらに、クロノグラフがゼロに戻る機械式クロノグラフのハートカムを使用しているところも、このアークチュラ キネティック クロノグラフの面白いところなのではないでしょうか。
このハートカムを使用することで、リセットする際に、4本の針が同時に瞬時にゼロに戻るようになっているのです。
価格は19万円です。
メカニカル・クォーツ
この「クロノレーサー ラトラパンテ」という名前の「ラトラパンテ」というのは、フランス語で「スプリット・セコンド」という意味がある単語なのです。
そう。このモデルはスプリット・セコンド機構を備えたモデルとなっています。
ラトラパンテが備えている、スプリット・セコンドは、メカニカル・クォーツを呼ばれているものなのです。
メカニカル・クォーツというのは、とても複雑な機構です。
これは機械式とクォーツ複合型ムーブメントとも言われていて、複雑な機構であるスプリット・セコンド・クロノグラフの部分を機械式で、通常の時間表示の部分をクォーツで動かすという変わったシステムなのです。
このシステムは機械式クロノグラフのいいところに、クォーツの正確さを融合させた、とても画期的なものでした。
そのことにより、リセットボタンを押すことで、素早くゼロに復帰するという操作性の良さを実現しています。
そしてこの方法を採用することによって、クロノグラフを動かす際に、時刻表示精度が落ちやすいという従来の欠点までも補っているのです。
これは、エレクトロニクスとメカニックのいいところを、最大限に活用したハイブリットモデルと言ってもいいのではないでしょうか。
使用しているムーブメントはCal.69です。
価格は43万円です。
ジャガー・ルクルト マスター・ブラック クロノグラフ
「マスター」シリーズは、ジャガー・ルクルトの中でもレベルソと並ぶ、人気のシリーズなのです。
このモデルは、そんなマスターシリーズのブラックダイヤルモデルです。
ケースの形がとても特徴的なのが、このモデルの目を引く点でもあるのではないでしょうか。
厚さ8mmという、とても薄いケースは一般的な機械式クロノグラフを使用する際に、考えられないサイズなのです。
ですが、このモデルではメカニカル・クォーツを採用することのよって、その不可能とも思われたサイズを実現することが可能となりました。
ルクルト製のキャリバー「Cal.631」を採用しています。
ルクルトは、1000時間(6週間)にも及ぶ耐久テストを行い、製品に誇りを持っていますが、このムーブメントにもその耐久テストをクリアした証の刻印がされているのです。
裏蓋はスケルトンとなっていて、価格は150万円です。
IWC GSTクロノ
このモデルはIWCスポーツウォッチ「GSTコレクション」の中のハイブリット・クロノグラフです。
「GSTコレクション」というのは、Gold(18Kゴールド)、Stainless steel(ステンレススチール)、Titanium(チタニウム)という3種類のバリエーションからなる素材の頭文字をとったものです。
チタニウムで作られたケースは、サイズが厚さ11mmで直径が37mmとなっています。
さらに搭載されているムーブメントは「Cal.631」です。
Cal.631は、セミ・メカニカル・クォーツムーブメントと呼ばれていて、機械式をクォーツの動力で動かすというシステムを持っています。
GSTコレクションの自動巻きクロノグラフよりも、サイズは厚さにして3mmもスレンダーになっているのです。
クォーツの正確さ、そして自動巻きの精巧なメカニズムを併せた、名門らしい至高の一本です。
12気圧防水で価格は44万5000円です。
クォーツ
これから紹介する2種類のクォーツは、とても純粋なモデルです。
プロのために開発された、究極の多機能ウォッチとなっています。
ブライトリング B-1
ブライトリングの製品で、プロフェッショナルラインと言われる中でも抜群の装備を備えているのが、このB-1と呼ばれるパイロット・ウォッチです。
これは、航空界のプロフェッショナルと呼ばれる人たちと、2年という長い歳月をかけながら、じっくりと開発されたモデルなのです。
その機能は驚きの充実ぶりで、リューズと2つのプッシュボタンだけで、アラーム機能、カレンダー、パーペチュアル、スプリットセコンドの付いたクロノグラフ、デュアルタイム機能などを含む10種類にも及ぶメニューを自在に操作することができるのです。
それだけではありません。
夜間ディスプレイ・バックライト、アラーム音を増幅させてくれるタービン状のケースバックの採用など、種類は豊富。
採用されている「ブライトリング68」は、アナログとデジタルの複合表示をしてくれるクォーツ式のムーブメントなのです。
スイスにおいて、最先端の技術を駆使した他に類を見ない完成度のモデルです。
価格は28万円となっています。
オメガ スピードマスターX-33
名前にもなっている「X-33」というのは、NASAの次世代宇宙輸送機計画名から取られているモデルです。
その名前から連想されるように、このモデルは宇宙飛行士たちと1994年から開発が続けられてきました。4年という長い年月を経てオメガがこのモデルを完成させたのは、1998年のことです。
アナログとデジタルの複合表示を可能にしているこのモデルは、「Cal.1666」を搭載しています。
これはクォーツ式のムーブメントですが、これを搭載していることで、宇宙飛行士のミッションに必要な9種類という多種多様なマルチファンクションも可能にしているのです。
どのようなファンクションかというと、クロノグラフ、ユニバーサルタイム、ミッションタイム、カウントダウンアラームというようなモードからなっており、4つのプッシュボタンで操作することができるようにもなっています。
電池の部分を含めても、ムーブメントの厚さはわずか6.95mmというスリムさを実現しています。
ケース、ブレスレットはともにチタン製で価格は38万円です。